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「子持ち様」とは「子を持つ親」を揶揄した言葉で、ネットスラングの一種です。子育て支援政策による経済的優遇や子どもの体調不良を理由に仕事を休むなど、「子を持つ親」がケアされる仕組みや環境への苦言として使われています。
Instagramで漫画を投稿するうにわさびさん(@unifamily_uni)も、二児の母。独身時代に出会った「子持ち様」の同僚とのやりとりや、また、自身が親になってから考えたことを漫画にした「子持ち様が迷惑なのか」が話題になっています。
ハフポスト日本版は、うにわさびさんに漫画「子持ち様が迷惑なのか」を描いたきっかけについて、聞きました。
「『子持ち様』という言葉を知って憤りを感じました」という、うにわさびさん。
「しかし、インターネットで調べるうちに『子持ち様』という言葉を使う人の発言にも共感する部分を見つけました。私も子どもを持つ前と今とで意見が変わっていたり、気づかず誰かに嫌な態度をとったりしていたかもしれないと反省しました」と続けました。
実際、計7編ある漫画「子持ち様が迷惑なのか」には、「子持ち様という言葉が嫌いです」「一人が休むと業務が逼迫してしまう労働環境も改善すべき」「どちらの気持ちもわかる」など、多様なコメントが寄せられました。
「『子持ち様』という言葉が持つ意味について考え、自分なりの落としどころを見つけたことで、自身の体験や考えを漫画にしようと思いました。発信することで、子を持つ親を一括りにして否定するような風向きが変わるきっかけになればいいなと思いました」
子どもを持つ前は、子育てをする同僚がたびたび休むことに「腹が立っていたが育児が優先されるのは当然のこと、仕方ない」と考えつつも、同僚の態度にモヤっとすることがあったと漫画でつづる、うにわさびさん。
自身が子育てをするようになり、「できる限りの努力はしたつもりだが、子どもの体調不良で休みをとることも多かった」と振り返ります。しかし、上司には理解されず「悔しかったし、自分も独身当時は同僚に嫌なことを言っていた」と気づいたそうです。
ライフステージが変わることで、見える世界は変わります。うにわさびさんも「『子持ち様』という言葉でくくるには人間関係は幅広く多様で複雑。子持ちに限らずいろんな人がいる」とした上で「一括りにせず、そのときの相手である個人に目を向けて考えるべきだと思う」と、漫画の中でつづりました。
現在、うにわさびさんが働く環境には、うにわさびさん含め子育てをする人が数名いるそう。
「今の会社は一人あたりの業務量が適正で残業することが少なく、皺寄せが発生しない仕組みになっているのでとても助かっています。ただ、これは会社の規模や業種にもよると思うので、すべての会社が同じようにいくとは思っていません」といい、「子持ち様」という言葉が生まれない職場の環境整備と仕組みづくりが重要な一方で、その難しさにもふれました。
投稿に多くの反響が寄せられたことについて「共感してくれる人はもちろん、『子持ち様』の解釈の違いや、私の落とし所とは異なる意見など、様々な人の考えを知ることができました。基本的には身近にいる人たちと対話することが解決の近道だと思っていますが、こうして不特定多数の方と議論することもすごく刺激になりますし、自分の思考が広がると感じました」と話しました。
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