【あわせて読みたい】介護・相続に備えて「実家」を片づけ。年末年始が狙い目!1500軒を片づけたプロに聞く「スムーズに進めるコツ」
年末年始は、実家を片づけるよい機会。親が健在なうちに片づけを進めておけば、将来的に在宅で介護を受けやすくなるうえ、財産の引き継ぎの手間や遺品整理の負担も軽くなります。
ただ、実家の片づけは事前の「根回し」をしておかないと、高齢の親とけんかになったり、親族とトラブルになったりすることも。帰省する前にどのような準備をしておくべきなのでしょう。片づけアドバイザーの石阪京子さんが出版した「『介護』『看取り』『相続』の不安が消える!実家片づけ」(ダイヤモンド社)から抜粋・編集してお届けします。《全3回の第3回/最初から読む》
実家片づけは「事前の根回し」が重要!
実家片づけは、事前の準備が非常に大事です。
遠方の場合は時間とお金をかけて行くことになります。無駄を省き、なるべくスムーズに進めるためにしっかり準備しておかなければなりません。
まずは、親に「今度帰省するときに、一緒に家を片づけない?」と提案してみてください。どういう反応かはともかく、こちらが「実家片づけをしたいと思っている」という、帰省の目的をしっかり伝えることが大切です。
事前に言わずに帰省してから突然言うと、「こっちはごちそうを用意して楽しみに待っていたのに、一体なんなの?」と、怪訝(けげん)に思われてしまいます。
また、高齢者は心の準備ができていないことには即座に対応しにくいので「急にそんなこと言われても無理」と拒否されかねません。相手に考える時間を与えるためにも、事前に目的を伝えておきましょう。
親族に根回ししておかないと、疑いの目を向けられることも
さらに、もう一つ大事なのが、親族への根回しです。後々のトラブルを防ぐためにこれはマスト。
もし、自分の実家に兄夫婦が乗り込んできて、家の中をひっかき回していったと、後から聞かされたら、どう思いますか? しかも「資産を把握したいから、大事な紙を出して」「この宝石は本物ですか?」など、金目の紙やモノを掘り出して、選別していったと聞いたら……。
「金目のモノを根こそぎ持っていこうとしているのかもしれない!」と、モヤモヤ・イライラするのではないでしょうか。
そんな不要な疑心暗鬼をなくすために行うのが親族への事前の根回しです。
実際に、実家片づけをする前に、相続人となる人たち(主にきょうだい)に、「近々、実家を片づけるつもりです。その際に、資産状況も確認してきます。また報告するのでよろしくね」などと、宣言しておきましょう。
可能であれば、LINEグループを作ってチームで進められるといいですね。 「お兄ちゃんのモノは和室にまとめておいたから、今度帰省したときに片づけておいてね」という具合です。
実家片づけを宣言すると、反対したり、無視したりする親族もいます。でもそういう人のことは気にしなくて大丈夫。実家片づけは、明らかにやっておいたほうが、親子双方にとってよいことなのですから、信念に基づいて決行しましょう。
ここでのポイントは、事前に宣言しておくことで、後々文句を言わせないアリバイ作りをしておくことです。宣言さえしておけば、後で何か言われても「やるって知らせたよね?」と、相手を黙らせやすくなります。
ゴミの出し方をイメージしておく
そして、現実的な段取りとして非常に大事なのは、ゴミの出し方や出す場所などをイメージしておくことです。
いざ実家へ行って、頑張って片づけても、ゴミの出し方が決まっていないと片づけは終わりません。捨てるゴミを、いつどうやって出すかというルートを決めずに取り掛かると、家の中がゴミだらけになって、よけい散らかってしまいます。片づけは、家の中にゴミ袋がある限り終わらないのです。
だから、ゴミの一時置き場を考えておきましょう。庭やガレージ(それらがない場合は使っていない部屋など)が候補です。
ゴミの一時置き場を確保さえできれば、ゴミ出しは柔軟に行えます。後でまとめて子どもたちが回収センターに持っていってもいいですし、親が車を運転できる健康状態なら、子どもが帰った後に少しずつ運んでもらってもいいでしょう。
親の体力がなくて、ゴミを持つのも大変ということであれば、次に帰省するまでそこに置きっぱなしでもいいと思います(屋外に置く場合は、雨に濡れて重たくならないようにシートをかけるのを忘れずに)。
実家がマンションで、置き場がベランダぐらいしかないという場合は、業者に引き取りに来てもらうのが現実的です。この場合は、帰省している間に引き取りに来てもらったほうがいいでしょう。とはいえ、業者はお金がかかりますので、一番安上がりなのは、コツコツ捨てていくか、自分でセンターに持ち込むことです。
ちなみに、ゴミの回収センターや業者は土日やお盆、お正月などは休みのことが多いです。そういった事情も加味した上で、実家片づけを実行するタイミングを考えたほうがいいでしょう。
【PROFILE】石阪 京子さん
片づけアドバイザー。宅地建物取引士、JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー、大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片づかないことで理想の暮らしができないと諦めている多くの人に出会い、家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、直接指導した人は1500人を超える。ブログ「片づけの向こう側」でも発信中。
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