「セックス」や「レイプ」など性に関するワードをネットで検索した時、公的機関や正確な情報を載せている民間団体などの適切なサイトが上位に表示されるよう、検索エンジンや国に求める署名キャンペーンが始まった。
呼びかけているのは、性教育の啓発活動や人権教育に取り組む有志の大学生グループ。団体は4月30日、東京都内で記者会見を開いた。
ケアが遅れ「PTSDが悪化」
キャンペーンが想定しているのは、性被害者や性に関心を持った子どもたちがネットで関連ワードを検索した場合だ。
呼びかけ人の一人の大学生、前田かや子さんは、16歳の時に性暴力被害にあったサバイバーだ。前田さんによると、性暴力を受けた当時は被害を被害と認識できなかった上、家族にも相談できなかったという。
インターネットで相談先を調べたが、支援機関の連絡先ではなく、アダルトサイトが最初に表示された。
「性被害者がやっとの思いで支援先を調べたとしても、アダルトサイトが先に見つかってしまうことはセカンドレイプにもなります。自分のように、ケアが遅れたことでPTSDを悪化させてしまう人を一人でも減らしたい」と訴える。
団体は、性被害者のほか、性に関心を持ち始めたり、性に関する悩みを抱えたりする子どもたちのためにも検索システムの改善が必要だとしている。
「学校の性教育は不十分で、学校に行かない選択をする子どももいる。信頼できる情報が記載された民間団体のサイトもある一方で、あふれかえる情報から子どもたちが優先順位をつけて適切な知識を見つけ出すことは非常に困難。学校以外でも適切な性の知識にアクセスできるようにしてほしい」と呼びかける。
具体的には、どのようなサイトが上位に表示されることが望ましいのか?
一つの事例として、団体は内閣府男女共同参画局のワンストップ支援センターの一覧を挙げる。
さらに、国に対して、性に関する必要な情報をまとめたサイトを作成したり、性暴力や性教育の問題に取り組むNPO法人などのサイトを後援したりすることを要望している。
Googleでは<死にたい>と検索すると、こころの健康相談統一ダイヤルの電話番号や、相談先をまとめている厚労省のサイトのリンクが最上位に表示される。団体は、性暴力や性に関する情報もこうした仕組みを参考に改善することを求めている。
「教えない親が悪い」?
キャンペーンに対して、「(アダルトサイトなどがみられないよう)フィルターをかければいい」「親が性教育をきちんとすればいい」といった意見が寄せられているという。
メンバーの伊東勇気さんは、「子どもが使用する全ての機器にフィルターをかけられるわけではなく、家庭によっても(子どもに教える性に関する知識には)差があります。『フィルターをかけていない方が悪い』『教えない親が悪い』とするのではなく、本当に助けてほしくて検索をしているすべての子どもたちが正しい情報にアクセスできるようにするべき」と強調する。
署名は3万筆を目標に集め、6月をめどに厚労省や文科省、内閣府のほか、GoogleやYahooなど検索エンジンの運営企業に提出するという。
Source: ハフィントンポスト
「#SEOセックス」署名始まる。レイプ被害相談や性の情報、適切なサイトを検索上位に。