2024年にハフポスト日本版で反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:1月19日)
冬は入浴の際、ゆっくりと湯船に浸かっていたくなる季節です。湯船の中で周囲を見渡しながら物思いにふけっていると、浴槽のふち、水栓の周囲、鏡などに汚れがこびりついているのに気づくことがあります。これは、水垢や湯垢です。
水垢と湯垢は似たような汚れと思いがちですが、その性質は全く異なることをご存知ですか。
ウェザーニュースで「湯垢と水垢の違いを知っていますか?」というアンケート調査を実施したところ、「知っている」の割合は24%、「知らない」は76%という結果でした。
汚れの性質が違うということは、汚れの落とし方も変わってきます。
水垢と湯垢は真逆の性質
水垢と湯垢は、浴室や洗面所など同じような場所に発生しますが、どう違うのでしょうか。
「水垢と湯垢は、まったく逆の性質を持っています。水垢はアルカリ性、湯垢は酸性の汚れなのです。
水垢は、水道水の成分であるケイ酸が原因で、赤色酵母菌と呼ばれるキノコと同様の菌類を発生させます。汚れに根があるので、頑固なのが特徴です。代表的な水垢に、鏡に付着する白いうろこ状の汚れがあります。
湯垢の原因は、水道水の成分であるマグネシウムです。石鹸とマグネシウムが化学反応を起こし、湯垢が発生します」(上田さん)
水垢にはクエン酸やお酢が効果的
水垢を取り除くには、どうしたらよいのでしょうか。
「水垢はアルカリ性なので、酸性洗剤を使うのが基本です。しかし、菌類の汚れは、根を取り除かなければ再び生えてきます。スポンジなどで表面を擦ったくらいでは、除去しきっていません。
洗面所や浴室の鏡を水垢から守るには、どうしたらよいのでしょうか。
「水垢は水分が少ない場所では繁殖しにくいので、水回りを乾燥させておくことが最大の予防法です。浴室であれば使用後は換気扇を回す、鏡は湯上りのとき乾燥したタオルで拭き取るなどの習慣をつけると汚れにくくなります」(上田さん)
湯垢掃除にはアルカリ性洗剤か重曹を
湯垢を取り除くには、どうしたらよいのでしょうか。
「湯垢は酸性なので、アルカリ性洗剤か重曹を使ってください。重曹はそのまま使用するとタイルなどを傷つけたり、金属を腐食させたりするため、注意が必要です。使用するときは、事前に目立たない部分を重曹で擦り、傷が付かないか試してみましょう。
重曹は水で薄めて使いますが、液状にするのではなく粘り気のあるペースト状にするのがコツです。スポンジに付けて湯垢が発生している部分を擦り、取り除いたら重曹を残さず洗い流してください。仕上げに乾燥したタオル等で水分をよく拭き取る必要があるのは、水垢の場合と同じです」(上田さん)
それでも落ちないしつこい湯垢は、どうしたらよいのでしょうか。
「洗浄効果を上げるために、重曹に食器用洗剤を混ぜるといいでしょう。重曹と食器用洗剤を1:1の割合で混ぜ、ペースト状にします。食器用洗剤はアルカリ性でなければ効果がないので、使う前に必ず成分のチェックが必要です。
掃除には歯ブラシを使うと、混ぜた重曹と洗剤で上手に汚れを擦ることができます。特に、水道の蛇口などは、歯ブラシを使うと細かな部分の汚れも落とせて便利です。
湯垢を取り除いたら、重曹や洗剤が残らないように水洗いを行ってください。その後、掃除の仕上げに乾拭きをして乾燥させることも忘れてはいけません」(上田さん)
夏はシャワーで済ませる人も、冬は湯船に浸かって体を芯から温めたいものです。浴室や洗面所から水垢や湯垢が消えると、入浴がより一層楽しくなります。ぜひこの方法で、浴室をキレイにしてはいかがでしょうか。
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