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LGBT新法、差別禁止を盛り込まず。自民修正案に野党が「ちょっと待った」

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LGBTQ当事者をめぐる法案について、与野党での議論が最終局面を迎えています。

5月10日に開かれた超党派の協議では、立憲民主党などの野党が、自民党がまとめた「LGBT理解増進法案」に対する再修正案を提出。

法案に、性的指向や性自認を理由に基づく差別禁止などを盛り込むよう求めました。

5月10日に開催された「LGBTに関する課題を考える議員連盟」

野党が再修正案で求めたもの

10日に開催された「LGBTに関する課題を考える議員連盟」総会で、野党側が再修正するよう求めたのは次のような点です。

・「性的指向または性自認を理由として差別してはならない」など、性的指向や性自認を理由にした差別や不利益な取り扱い禁止の明記

・法律が地方自治体でパートナーシップ制度などのLGBTQ施策を作ることへの妨げにならない、ということを明記

・国や地方自治体が理解増進の施策を作るのを、「努力」ではなく「責務」にする

LGBTQ当事者をめぐる法律については、自民党と野党それぞれが法案を作っています。

立憲民主党などの野党は、性的指向・性自認を理由とした差別の解消を目的とした「LGBT差別解消法案」をすでに国会に提出。

一方、自民党の「LGBT理解増進法案」は、「性的マイノリティに寛容な社会の実現」などを目的に掲げるにとどまり、性的指向や性自認に基づく差別の禁止が明記されていません。

そのため「このままでは差別が放置される」と懸念するLGBTQ当事者や支援者が、性的指向や性自認に関する差別的取り扱いの禁止を明記するよう求める緊急声明を5月2日に出しました。

自民党は7日に出した修正案で、「性的指向および性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」という文言を法案の目的に加えることを伝えました。

しかし野党側は再修正案で、上記のような差別禁止などを盛り込むよう求めました。

与党「非常に厳しい」野党「無理筋ではない」

この野党の再修正案について、自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」委員長の稲田朋美議員は、「これ以上の法案の修正は非常に厳しい」と、総会後に記者団に話しました。

稲田朋美衆議院議員

その一方で稲田氏は、「これは最後のチャンスだと思っている」「できる限りのことを全てやりたい」と、今国会での法案設立への強い思いもにじませました。

一方、立憲民主党の「SOGIに関するプロジェクトチーム」座長を務める西村智奈美議員は「無理筋を言っているつもりはない」と述べ、野党がまとめた再修正案を協議するよう自民党に求めました。

西村智奈美衆議院議員

地方自治体への影響

西村氏によると、総会では法律が地方自治体に与える影響についての言及も多くありました。

自民党は、同性パートナーシップ制度について「慎重な検討が必要」という立場を取っています

そのため、理解増進法が成立すれば地方自治体が萎縮して、パートナーシップ制度や差別禁止制度条例などの導入が阻害されるのでは、という懸念も生じています。

これに対して稲田氏は「自治体のパートナーシップの取り組みについては、全く阻害するつもりはないし、法案も阻害するとは読めない」と説明しました。

しかし西村氏は、自民党の会合でトランスジェンダーを中傷する発言があったことを挙げ、「懸念の声は強い」と指摘。その上で、パートナーシップ制度を阻害するつもりがないのであれば、それを条文に明記するのは難しくないはずだ、と述べました。

「LGBT法連合会」事務局長の神谷悠一さんも、自民党の修正案について「1歩前進でかろうじて評価する」としつつも、法律が今のまま成立すれば地方自治体が萎縮するのではないかと心配しています。

神谷氏の元には「法律に書かれていない制度を自治体が独自で作るにあたって、これまでは何も法律がないからできていたものが、今後は法律が一つの基準になるのでやりにくくなる」という声が自治体関係者から届いているといいます。

そのため「パートナーシップ制度を阻害しないという点を、法に明記することが必須であり、明記しなければ後退になってしまうのではないかと大変懸念している」と、神谷氏は求めます。

LGBT法連合会はこれまで、LGBTQ当事者への差別を禁じる法律の制定を求めてきました。

神谷氏は「実効性のある法律になればなるほど救われる人がそれだけ増えることになるので、より良い案を与野党が知恵をしぼって出してほしいと願っています」と話しました。

法案をめぐる次の協議は、5月14日に開かれる予定です。

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Source: ハフィントンポスト
LGBT新法、差別禁止を盛り込まず。自民修正案に野党が「ちょっと待った」

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