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石ノ森章太郎のSF漫画作品「サイボーグ009」は、2024年に誕生から60年を迎える。漫画雑誌やテレビアニメ、映画など、媒体を超えて様々なシリーズが送り出されてきた名作が、60周年を記念して初めて舞台化されることが決定した。
主人公の009/島村ジョーは、元宝塚歌劇団男役スターで、俳優として多方面で活躍する七海ひろきが演じる。ほかのサイボーグ戦士の配役も決まり、3月25日には製作発表記者会見が開かれた。
「サイボーグ009」は、世界中から集められ、戦争兵器として改造された9人のサイボーグ戦士が、それぞれの悩みと哀(かな)しみを背負いながら、自らをつくりだした悪の組織と戦う物語。自分を生んだ組織を裏切り、倒すべき敵としてぶつかっていくという構図は、「仮面ライダー」「人造人間キカイダー」など、その後の石ノ森作品にもあらわれる重要なモチーフとなった。
製作発表記者会見では、本作の魅力を、演出の植木豪、主演の七海ひろきらが語り合った。
作品の魅力を語る上でキーワードとなったのが「憂い」だ。
植木は同日公開された舞台のメインビジュアルについて、「戦士たちが憂いを帯びている」と表現。「この表情こそが、『009』がほかの作品と違うところ。舞台の中でも表現していこうというテーマになっている」と語った。
七海は撮影時のエピソードを披露。「ちょっと『行くぞ!』みたいな顔をすると、『あ、ちがうんです』とおっしゃっていただいた」と振り返り、「島村ジョーは、自分から行くぞ、戦うぞというタイプではない。そういうアンニュイな雰囲気が素敵だと思う」と語った。
戦士役の俳優たちが意気込みを語る
記者会見には、赤ん坊の001/イワン・ウイスキーを除く8人の戦士役が参加。それぞれが思いを語った。
002/ジェット・リンク 高橋駿一
「ジェットリンクは(009の)ジョーとは逆で、好戦的というか、けんかっ早いところもある。ただ、仲間思いの一面があったりとか。僕は前からジェットリンクが一番好きだった。光栄だと思う」(002は空を飛び、高速で走る)
003/フランソワーズ・アルヌール 音波みのり
「フランソワーズは唯一の女性。たたかうことが好きでないということも大切に、赤ちゃんの001を抱きながらどう演じていくのかを楽しみにしている。ジョーへの思いも大切に演じたい」(003は遠くまで聞こえる耳、見える目を持つ)
004/アルベルト・ハインリヒ 里中将道
「サイボーグにされていながら、自分の信念を持って立ち向かうのが素敵。アルベルトハインリヒも、つらい過去がありながら、どんどん前向きになっていくところが人間らしい」(004は全身に武器が仕込まれている)
005/ジェロニモ・ジュニア 桜庭大翔
「ジェロニモ・ジュニアはパワーが強く、皮膚が硬い。僕が持っているエネルギーで、その大きさをお届けできたらなと。舞台で見たらむちゃくちゃでかいじゃんと思わせたら勝ちだと思っている」(005は鋼鉄の皮膚と百人力を持つ)
006/張々湖(ちゃんちゃんこ) 酒井敏也
「すごくかっこいい芝居になると思う。張々湖の魅力は年を重ねた知恵と知識と経験。酒井も役者生活を44年やっている。知恵と経験がにじみ出る演技ができれば、なれるんじゃないかな」(006は口から熱線を吐き、どこへでも潜り込む)
007/グレート・ブリテン 川原一馬
「グレートブリテンは振れ幅が広い。シリアスな部分も鼻で笑って崩すような一面があり、元々は堕落したところを持っている。陰と陽を照らし合わせて、深みを探していきたい」(007はどんなものにも化けることができる)
008/ピュンマ Toyotaka
「ピュンマは仲間思いの熱い部分もあるが、感情を表に出すよりは、おくゆかしい好青年という印象。僕はダンスをずっと積み上げて来ているので、新しい表現ができたらいい」(008は深海の圧力に耐えて活動できる)
009/島村ジョー 七海ひろき
「島村ジョーはちょっと憂いがあるキャラクター。戦いたくてというより、まわりを守るため。自分から行くぞ、戦うぞというタイプではない。そういうアンニュイな雰囲気が素敵だと思う」(009は加速装置を使って瞬時に移動できる)
※各戦士の特殊能力は、「原作サイボーグ009」に基づき、ハフポスト日本版編集部がまとめました
公演は5月18〜26日
001/イワン・ウイスキーについては、声の出演が決定しており、キャストは後日発表という。戦士たちを見守るアイザック・ギルモア博士や、敵役2人の配役も決定した。脚本は亀田真二郎。
公演は5月18日(土)〜26日(日)、東京の日本青年館ホールで。来場者には特典としてポストカードが配布される。公演後には、撮影可能なスペシャルカーテンコールや、出演者によるトークショーも催される.
詳しい日程やチケット購入方法は公式サイトで確認できる。
※写真はいずれも(c)石森プロ (c)舞台「サイボーグ009」製作委員会
※石ノ森章太郎の「ノ」は約60%縮小が正式表記
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憂いと哀しみを帯びた戦士「サイボーグ009」が60周年で舞台化決定 俳優たちが意気込みを語った