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全国のミニシアター「経済状況が良い」はゼロ。クラファンなど自助努力…「映画館支援の構造的な脆弱さ露わに」

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2022年に閉館した岩波ホール(東京)と、2023年に閉館したシネマテーク(愛知)2022年に閉館した岩波ホール(東京)と、2023年に閉館したシネマテーク(愛知)

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一般社団法人コミュニティシネマセンターと、是枝裕和さんや諏訪敦彦さんら映画監督有志によるaction4cinema(「日本版CNC設立を求める会」)が、全国のミニシアターの経営状況について調査した結果が、12月に発表された

小規模ながら国内外の名作映画や若手監督らの作品などを上映し、映画文化の大事な拠点となってきたミニシアターだが、近年は閉館が相次いでいる。2023年も「名古屋シネマテーク」「京都みなみ会館」など全国の老舗劇場が閉館や休館を発表。横浜の「シネマ・ジャック&ベティ」も経営難のためクラウドファンディングで支援を呼びかけている

調査では、ミニシアターの危機について「コロナ前から連綿と続く映画館支援の構造的な脆弱さが露わになったに過ぎない」と分析している。

今後の観客数、4割以上が「減少する」

調査は今年8月に行われ、全国97団体78館のミニシアターに経営状況について尋ねた。「現在の経営状況について」の設問では、「とても悪い」が5.1%、「悪い」が26.9%、「やや悪い」が35.9%で、合計7割を上回った。「とても良い」「良い」と回答した劇場はなかった。

今後の観客数の見通しについても、45.3%の劇場が「より減少する」と回答。8月の調査当時、今年1年以内に閉館する可能性について、11.5%にあたる9館が「ある」と答えた。

action4cinemaは公式サイトで、厳しい経営状況にあるミニシアターの支援について「公的な形か個人か民間の支援であるか、おそらくその両方であるが、急務である」と指摘した。

デジタル映写機の買い替えの負担…移転も容易ではない

経済的負担の大きい具体的経費として、「デジタル映写機の買い替え」を挙げる回答も目立った。

8割にのぼるミニシアターが「デジタル映写機の買い替え」を負担に感じていると回答。2023年夏に行われた大阪のミニシアター「シネ・ヌーヴォ」の支援プロジェクトでも、経済的窮状を生む理由のひとつとして、数百万円の費用負担を必要とするデジタル映写機の買い替えがあげられていた。

また、アンケートに答えた劇場の7割以上が、自社ビルではなく、賃貸の建物で運営されているミニシアターだった。映画館の運営について、▽地域の文化的なインフラである側面が強い▽上映施設に適した場所は限られている、などの理由で、「経営が厳しいからと家賃のより安い土地に移ることは容易ではない」と調査報告で言及している。

アンケートでは、経営維持のためにクラウドファンディングやグッズ販売などの取り組みを各映画館が独自で行っている現状も明らかになった。

action4cinemaは、調査のまとめとして、「現状は支援の仕組みがないため、クラウドファンディングやグッズ販売などの各劇場の個々の自助努力に委ねられているのが実情である」「短期的な支援策の模索と並行して、次代のための長期的な支援の早急な構築が求められる」などと指摘している。

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全国のミニシアター「経済状況が良い」はゼロ。クラファンなど自助努力…「映画館支援の構造的な脆弱さ露わに」

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