政府は１２日、経済安全保障推進法に基づき、「特許非公開」の対象とする計２５の技術分野と、
電気などの基幹インフラ（社会基盤）事業者の指定基準を盛り込んだ制度案を有識者会議に提示した。
政府は会議での議論を踏まえ、順次関連の政省令を策定し、来春の運用開始を目指す。特許は出願から１年半後に原則公開されるが、推進法で「保全指定」すれば、非公開となる。
制度案は、指定対象として、航空機などにステルス性能を持たせる「偽装・ 隠蔽いんぺい 技術」や、「武器に関係する無人航空機・自律制御技術」などを挙げた。このうち１０分野は、防衛・民生双方で活用できる「デュアルユース（両用）」技術として位置づけ、防衛目的で発明されたケースなどに限って保全指定を行う考えを示した。
産業への影響を最小限に抑える狙いで、音速の５倍以上の極超音速飛行に利用可能な「スクラムジェットエンジン技術」などが該当するとした。推進法は、特定の基幹インフラ事業者が重要設備を導入する際、サイバー攻撃などを防ぐため、国の事前審査の対象になると定めている。
制度案はこうした事業者の指定基準を示し、鉄道は旅客営業が１０００キロ・メートル以上、銀行は預金残高１０兆円以上、保険は契約件数が２０００万件以上とした。審査対象となる重要設備に関しては、発電事業の「出力制御装置」や鉄道の「列車運行管理システム」、銀行の「預金・為替取引システム」と規定した。
「特許非公開」対象にステルスや無人・自律制御技術など、政府が有識者会議に２５分野提示
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230612-OYT1T50258/
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