■年金を維持するために手取りだけが減っていく
日本人は90歳まで働く時代がくると思っております。英国のリンダ・グラットン教授が「2007年に日本で生まれた子どもが107歳まで生きる確率は50%もある」と言っています。
一方で日本の年金については、そもそも年金だけで生活できるような設計はされていません。また、女性の平均寿命87歳の日本で、65歳から22年間も年金がもらえるという制度も極めて珍しいです。今後さらに寿命が延び、少子高齢化が進みます。さらに保険制度と言いながら、税金も投入している日本の年金制度において、現役世代の負担がより大きくなります。端的にいえば、今よりも手取りがもっと減ることになります。
当然経済成長が伴っていれば、働き手の給料も上がり、この年金問題も解決するでしょう。しかし日本が、雇用の流動性が悪い現状を維持し続ければ、企業の生産性が上がるということは考えにくく、そうなれば給料も上がりません。すると年金を維持するために手取りだけが減っていくことに、若い人たちは絶望するでしょうし、その行きつく先は年金制度に対する不審の増大です。
■どこかで「学び直し」の期間が1、2回必要なのは間違いない
そうならないためにも、私は年金の受給開始年齢の引き上げをなるべく早く実施するべきだろうと思っています。まずは開始を70歳に上げるべきだと考えていますが、当然、大きな反発があるはずです。しかし、例えば1年ずつなど段階的にでも上げていかないともうもたないのです。
そうして日本人は、近い将来、80歳、90歳まで働くことになるだろうと考えています。
ではそういった社会になったときに日本人はその年齢まで本当に働けるのかといえば、それもまた無理な話でしょう。
今まで日本人は生まれてから約20年勉強して、40年間働いてきました。同じ学び期間で60年間、70年間と働き続けるのは現実的ではありません。ですから、どこかで「学び直し」の期間が1、2回必要なのは間違いないです。今の50代や60代は、大企業に入れば「何もしなくても給料が上がっていく」という夢のような生活を送ってきましたが、もうそんな甘えは通用しません。
竹中 平蔵
全文はソースでご確認ください
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5fe4b261727ef100efd211dd72f6dd6dc4dc259
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