フォースタートアップスは2月18日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」における2020年の国内スタートアップ投資の概況と動向について、2019年と比較した調査内容を発表した。
フォースタートアップスは2月18日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」における2020年の国内スタートアップ投資の概況と動向について、2019年と比較した調査内容を発表した。調査期間は、2020年1月から2021年1月27日。
それによると、2020年に資金調達したスタートアップの数は1686社で、2019年の2009社に対して約16%減少している。また、2020年の累計資金調達額は6800億円と、2019年の7010億円に対して210億円減少した。
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合計資金調達額を月別資金調達額として比較してみると、上半期の時点で2019年の3405億円に対して2020年が3639億円と、2020年の方が234億円上回っている。一方、8月以降はすべての月で2019年の調達額を下回っている。また、新型コロナウイルスの影響が顕著化した3月以降の調達額を比べてみると、2020年は2019年と比べて979億円少ない5207億円という結果となった。
資金調達の実施企業数は、2019年が2009社であるのに対して2020年は1686社と約16.1%減少している。一方、合計資金調達額が約6%減であったことから、1社あたりの調達額の平均は増加していることがわかった。
1社あたりの調達額は、2019年通年の平均が3.4億円に対して、2020年通年の平均は3.9億円となっており、2020年の方が0.5億円高い。なお、資金調達を1件ごとにみた際、調達額の中央値は、2019年が1億円、2020年が1.2億円となっている。この数値からも、2020年の方が2019年と比べ、1件あたりの調達額が上昇傾向にあるといえる。
2020年の時価総額ランキングでは、「創業10年以内で想定時価総額が1000億円以上の未上場スタートアップ」として定義されるユニコーン企業が6社ランクイン。なお、想定時価総額が1000億円を超えている企業は7社となるが、Spiberについては2007年創業のため、カウントしていない。Spiberは2020年12月に、事業価値証券化という珍しい手法で250億円の大型資金調達をしたことで話題となり、想定時価総額は2019年の962億円から1143億円へと成長している。
2019年度の想定時価総額ランキングにおいて、上位20社の時価総額の平均値は810.6億円であったのに対し、2020年度の平均は868.2億円となり、全体的に上昇傾向にある。2019年度と比較し、2020年にTOP20位に新規ランクインした企業は、Mobility Technologies、Paidy、ビットキー、ispace、Looopの5社となった。
2020年に100億円以上調達した企業は、Spiber、Mobility Technologies、Looop、VPP Japan、アストロスケールホールディングスの5社。なお、2019年度の合計資金調達ランキングでは4社だった。
2020年には新型コロナウィルス感染症の影響もあり、2020年3〜4月に上場を予定していた18社が上場を一時取りやめた。そのうち10社は、2020年に上場を果たし、全市場を合計した上場企業数は93社となった。なお、2019年のIPO実施企業数の合計は86社だった。
同社では、STARTUP DB掲載のスタートアップに出資した投資家の累計投資件数も統計した。融資が主となっている銀行や金融公庫などの金融機関はランキングの対象外としている。それによると、投資家種別では金融系VCと独立系VCが上位を独占。特にメガバンク傘下のVC3社はそれぞれ40件以上の投資をしている。また、「2020年国内スタートアップ投資家別投資件数」に記載された19社のうち、11社は独立系VCが占めている。
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Source: CNET
2020年に資金調達したスタートアップは1686社、前年より16%減–フォースタートアップスが調査