1: 通りすがりのコメンテータ尹錫悦大統領が1日、ソウル中区の柳寛順(ユ・グァンスン)記念館で行われた三一節(独立運動記念日)105周年記念演説で、「日本は価値を共有し、共同の利益を追求し協力するパートナー」だとしたうえで、「今、韓日両国は痛ましい過去を乗り越えて『新しい世界』に向かって共に進んでいる」と述べた。
尹大統領は同日、これまで癒やされず、清算されていない日本軍「慰安婦」と強制動員被害者問題など日帝強占(日本の植民地支配)をめぐる韓日の歴史認識の違いに関して、「加害者日本」の省察と責任、義務については触れず、「痛ましい過去」 、「歴史が残した難題」というあいまいな言葉を並べた。これは尹大統領が2022年5月に就任して以来、韓日関係において示してきた変わらぬ態度だ。
尹大統領は今回も「北朝鮮の核とミサイルによる脅威に対する(韓日)両国の安全保障協力が一層強固になった」と評価した。そして「韓日両国が交流と協力を通じて信頼を築き、歴史が残した難しい課題を共に解決していけば、韓日関係のより明るく新しい未来を開くことができる」とし、「来年の韓日国交正常化60周年を機に、より生産的で建設的な両国関係に一段階跳躍させていくことを期待する」と述べた。
大統領室高官は同日、記者団に尹大統領の演説の趣旨を説明し、強制動員被害者問題に関して「今後、裁判所の供託受領問題、現在進められている裁判、このようなことは韓国の財団の基金で韓国政府が原則的に明らかにした解決策を履行していく」と語った。今後、強制動員被害者と遺族が韓国の裁判所で日本の加害企業を相手に損害賠償訴訟で勝訴しても、韓国政府が全て責任を負うと公言したのだ。
これは、尹錫悦政権が昨年3月6日に一方的に発表したいわゆる「第三者債務引受(弁済)」(行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が用意した基金で、日本の加害企業の賠償金を肩代わりする)案を再確認したわけだが、確定判決が出ていない「進行中の訴訟」も韓国政府が責任を負うとあらかじめ表明した点で、日本を「なだめる」ための措置と言える。強制動員被害訴訟は、最高裁で最終勝訴した3件(14人)以外にも64件(1124人)が進められているが、これは公式に把握された強制動員被害者の0.76%水準であり、今後さらに多くなる可能性がある。このような中、大統領室の高官が「これからは私たちがすべて責任を負う」と日本に約束したわけだ。
イ・ジェフン先任記者、ペ・ジヒョン記者
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