2024年の最も大きなイベントの一つとされるアメリカ大統領選挙は、3月5日に「スーパーチューズデー」を迎える。
名前に「スーパー」がつくことからもわかるように、スーパーチューズデーは大統領選挙の重要な山場の一つだ。
なぜスーパーチューズデーの結果が重要な意味を持つのだろうか。2024年の展望は――。
スーパーチューズデーとは?
スーパーチューズデーは、アメリカの多くの州や自治領で、民主党と共和党の公認候補を選ぶための「予備選挙」(党員らによる投票)もしくは「党員集会」(党員による議論)が行われる日だ。
この予備選挙や党員大会で鍵となるのが、人口の規模などに応じて各州や自治領に割り振られている「代議員」だ。
代議員は大統領選挙の候補者を指名する投票権を持っている。
予備選挙・党員集会の結果に基づいて夏に開かれる党大会で候補者に投票する仕組みになっているため、候補者たちは予備選挙や党員集会で、代議員をどれだけ獲得できるかを競う。
最終的に党の公認候補に指名され、11月の大統領選挙に出るためには、過半数の代議員を獲得しなければならない。
スーパーチューズデーに多くの州で予備選挙や党員集会が集中するため、この日の結果が獲得数に大きな影響を与え、選挙戦を大きく左右するというわけだ。
2024年は、各党それぞれ15の州に加え、アメリカ領サモアなどで予備選挙や党員集会開かれる。
・アラバマ
・アラスカ(共和党のみ)
・アーカンソー
・カリフォルニア
・コロラド
・アイオワ(民主党のみ)
・メイン
・マサチューセッツ
・ミネソタ
・ノースカロライナ
・オクラホマ
・テネシー
・テキサス
・ユタ
・バーモント
・バージニア
・アメリカ領サモア(民主党のみ)
・海外の民主党員
2024年はどうなる?
各党の候補が絞り込まれるスーパーチューズデーは、通常その結果が大きく注目される。
ただし、2024年は民主党はジョー・バイデン氏、共和党はドナルド・トランプ氏が圧倒的に優勢で、ほとんどの州での両者の勝利が確実視されており、例年よりは注目度は低いといえるかもしれない。
共和党の公認候補になるためには、2429人の代議員のうち過半数の1215人を獲得する必要があるが、これまでの予備選挙・党員候補では、ワシントンD.C.以外のすべての州でトランプ氏が勝利している。
3月3日時点での代議員獲得数は、トランプ氏の244人に対して、対立候補で元国連大使のニッキー・ヘイリー氏は43人。
2024年のスーパーチューズデーでは854の代議員数が争われるが、ほとんどの州でのトランプ氏の勝利が予想されており、正式指名をほぼ手中に収める可能性がある。
一方、民主党のバイデン氏には有力な対立候補がいないため、同氏が党の指名候補になることがほぼ確実視されている。
そのため、2024年の大統領選挙は前回と同様、バイデン氏とトランプ氏が争うことになる可能性が高いと見られているが、両氏に懸念材料がないわけではない。
トランプ氏は2020年の大統領選挙の結果を覆そうとした問題や、機密情報保持など、複数の罪で刑事告発されている。
また、81歳のバイデン氏は「記憶力の限界」などが疑問視されているほか、イスラエルに対する軍事支援を続けていることで、支持離れも起きている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
米大統領選挙の山場「スーパーチューズデー」とは?何がスーパーなのか【米大統領選挙2024】