初報はこちら>>崖下で2年もひとりぼっちの羊が英国で見つかる。毛は地面につくほど伸び「群れを作る動物には拷問」
スコットランド北東部の崖下で少なくとも2年間ひとりぼっちで過ごしてきたとみられる羊がついに救助された。
羊はたまたまこの場所をカヤックで訪れた人によって発見され、「群れで行動する動物にとって拷問のようなもの」などと憐れむ声が上がり、関心が高まっていた。救助を受け、BBCやテレグラフなど大手メディアが続報を出している。
注目を集めていたのは、クロマーティー・ファースと呼ばれる入り江の崖下で見つかったメスの羊。毛は伸び放題で、お尻にかけてもっさりしていた。伸び続けた毛は足元まで覆ってしまっていて、後ろ足はほとんど見えない状態だった。
この羊が初めて目撃されたのは2年前にさかのぼる。今回見つけた人物が2年前に同所をカヤックで訪れたところ、1頭の羊が何か訴えるように鳴きながら岸辺が行き止まりになるところまで追いかけてきたという。
発見者は羊が自力で群れに戻ったと思っていたが、カヤックで久しぶりに同じ場所を訪れると、毛が伸びに伸びた羊が岩から岩へと飛び移りながら、今回もまた何かを訴えるように鳴きながら追ってきたという。
羊がいる場所が急斜面で険しいことから、動物保護団体は救助について「とても複雑なもの」と述べていた。
そんな中、救助に動いたのは5人の人物だった。
ガーディアンによると、羊の毛刈りを生業とするキャミー・ウィルソンさんらは「イギリスで最も孤独な羊」のニュースを見て、いてもたってもいられず、行動に移したという。
5人はロープを使って急斜面を降り、重機の力を使って羊を崖の上まで引き上げた。
ウィルソンさんは伸びた毛を地面に引きずって歩く羊のことを「まるでマットレスに覆われているようでした」と述べ、健康状態について「信じられないほどいいコンディションをしています。ちょっと太っているから、急斜面を引き上げるのは大変でした」と話している。
羊は「フィオナ」と名付けられ、伸び放題だった毛はきれいに刈られた。
救助されたのは良かったが、フィオナがこれからどこで過ごすべきかについて議論が起こっている。
ウィルソンさんたちはフィオナを約500キロ離れた動物園で暮らすように手配することにした。だが、来園者が動物に触ることができる「ふれあい動物園」だったことから、動物愛護の活動家が懸念を表明している。
「フィオナは見せ物にされるべきではない」として、グラスゴーにある動物保護施設で過ごせるようにするためのオンライン署名が11月4日に始まった。テレグラフによると、5日時点で6500人超の署名が集まっているという。
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崖下で2年もひとりぼっちの羊、ついに救助される。毛は地面につくほど伸びるも健康状態は「信じられないほどいい」