除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、靴のカビ対策について教えていただきました。
靴のカビは水洗いOK?
「先に結論から申し上げると、靴にカビが生えた場合に水洗いするのはNGです。長靴など水洗いを前提に作られた靴は別ですが、一般的な靴に生えたカビは、水洗いでは落ちません。むしろ靴のカビに水洗いは逆効果です」(穂苅さん)
どうして逆効果になるのでしょうか。水洗いするとカビの繁殖が進むのでしょうか。
「その通りです。カビは、<水分><湿度><酸素><栄養源>の4つの条件が揃った環境を好みます。栄養源は靴の繊維や革で、カビは靴の素材の奥まで繁殖している可能性があります。
そのカビに水洗いで水分を与え、日の当たらない靴箱に仕舞うと、繁殖のための好条件が揃ってしまうのです」(穂苅さん)
カビが生えたときの対処法
「まずは靴用ブラシで、靴の表面の汚れを掻き出してください。次に、靴に専用の除菌剤を吹きかけます。目に見えない部分にカビが生えていることもあるので、除菌剤は靴全体にかけてください。
その後、除菌剤を染み込ませた布で靴のカビを拭き取ります。傷がつかないように、やさしく拭くのがポイントです。
最後にしっかり乾燥させます。風通しの良い日陰に干すといいでしょう」(穂苅さん)
靴専用の除菌剤が入手できないときは、どうすればいいのでしょうか。
「濃度70~80%の消毒用エタノールで代用できます。靴によっては素材が傷むことがあるので直接吹きかけず、消毒用エタノールを染み込ませた布で拭いたほうがいいでしょう」(穂苅さん)
スニーカーのカビは、どうすれば落とせますか。
「酸素系漂白剤で落とせます。バケツに50℃くらいのお湯を入れ、スニーカーを浸してください。30分ほど置いて水でしっかりすすぎ、風通しの良い場所で乾燥させれば、汚れとカビが同時に落ちます」(穂苅さん)
カビを取るときの注意点
「まずはしっかり乾燥させることです。カビの発生原因となる水分を残したのでは、なんにもなりません。
次に塩素系漂白剤を使わないことです。カビキラーやカビハイターなどの塩素系漂白剤は、靴を変色させてしまうことがあります。使うなら酸素系漂白剤を使ってください。
あとは、換気を行うことと手袋を着用することです。靴のカビ取りをするときは、必ず窓やドアを開け、カビの胞子を吸い込まないように気をつけてください。マスクやゴーグルも有効です」(穂苅さん)
靴のカビを防ぐためには
「靴そのものや、保管する靴箱を清潔に保つのが一番のカビ対策です。靴は使用するたびにホコリや汚れを落とし、靴箱には備長炭などを入れて湿気を防いでください」(穂苅さん)
大切な靴にカビが生えていたらショックですよね。そんなことにならないよう、靴を片付けるときは汚れをきれいに落とし、乾燥した靴箱に仕舞うようにしましょう。
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