関連記事>>原爆コラ画像にハートで返信。映画「バービー」公式SNSに批判殺到「ネタにしていいものでは決してない」
8月11日から日本で上映される予定の映画『バービー』。同映画のアメリカ版公式X(Twitter)での不適切で配慮にかけた投稿に批判が殺到する中、本作品でバービー役の吹き替え声優を務めた俳優・高畑充希さんらが2日、舞台挨拶に登壇した。
高畑さんは自身のインスタグラムのストーリーズで、「正直、今日登壇を辞退することも考えた」と投稿していた。映画の吹き替え声優が、作品の外側で生じた騒動について自ら言及するという異例の事態に。結果として同作は今、公開前から注目を集めている。
「明るい気持ちで今日を迎えたかったな」
高畑さんは2日、自身のインスタグラムのストーリーズを更新。映画『バービー』のアメリカ版の公式Xアカウントによる不適切投稿に自ら言及し「ご心配してすみません」として、自身の思いをつづった。
「今回のニュースを耳にした時、怒り、というよりは正直、不甲斐なさが先に押し寄せてきました。先日までスペインでいたので、『バービー』と『オッペンハイマー』2作品の盛り上がりは肌で感じていました。映画界が盛り上がっていて素晴らしいな、と思いながら街歩きをしていたので、今回の件は本当に本当に残念です。他人事ではなく考えてもらえるにはどうしたらいいんだろう、と。モヤモヤする中で今日という日を迎えてしまいました。なので正直、今日登壇を辞退することも考えたのですが、来日してくれたお2人の想い、そして私自身、このバービーという作品自体の素晴らしさはぜひ知っていただきたいな、という気持ちを消せませんでした。なので、複雑な感情ではありますが、今日1日、真摯に努めさせていただきたいと思います。さまざまなご意見あると思いますが、自分の言葉でお伝えしたくて。長文失礼しました。今日きてくださる皆様、本当にありがとう。明るい気持ちで今日を迎えたかったなー、悔しいです。楽しみにしていたので、とても」
高畑さんの想い、背景にある問題とは
高畑さんが「登壇を辞退することも考えた」というのには大きな理由がある。
アメリカで7月21日に、『バービー』(ワーナー・ブラザース)と、原爆を開発した物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた『オッペンハイマー』(ユニバーサル・ピクチャーズ)が同時公開された。
2作品が共に大ヒットしていることから、それぞれのタイトルをもじり「バーベンハイマー(Barbenheimer)」という言葉が生まれるなどしている。
SNSでは、『バービー』と『オッペンハイマー』を組み合わせたり加工・合成したりする、一般ユーザーによるネットミーム(ネタ画像)が多数投稿された。
一番の問題は、原爆とバービーを組み合わせた「ネタ画像」というものに、『バービー』のアメリカ公式X(Twitter)は好意的にリプライしたことだ。ハートの絵文字などを使って「It’s going to be a summer to remember (忘れられない夏になりそうですね)」と返信した。
日本のユーザーから批判相次ぐ
これらの『バービー』アメリカ公式Xの対応に、日本のユーザーからは「原爆は冗談やネタにしていいものでは決してない。被害が軽んじられている」「9・11やナチスをネタにすることは絶対にない。でも原爆のことはネタにできるんだな」などと批判が殺到。
ワーナー ブラザース ジャパン合同会社は31日に、日本の『バービー』公式アカウントを通じて声明を発表した。「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾」とし、アメリカに対応を求めていることを明かした上で謝罪。そして、日本時間8月1日、米ワーナー・ブラザースはDeadlineの取材に対して謝罪コメントを発表。現在は問題のリプライは削除されている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
高畑充希さん「怒りというより不甲斐なさ。悔しい」と本音を吐露。映画バービー騒動に吹き替え声優として自ら言及