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核実験で生まれた「赤い鉱石」のとんでもない正体

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1945年7月16日午前5時29分、アメリカのニューメキシコ州で世界初の核実験である「トリニティ実験」が行われました。この瞬間、戦争は永遠に変わることになります。

そしてこの核実験は副産物として、非常に珍しい「準結晶」という物質を生成しました。核実験で生成されたこの物質について、海外メディア「sciencealert」が解説しています。

*Category:サイエンス Science *Source:sciencealert,wikipdia(1),(2)

地球上にめったに存在しない「準結晶」とは?


「トリニティ実験」で使用された核爆弾はTNT火薬21キロトンに相当するエネルギーを放出しました。その際、記録装置の銅線や砂漠の砂が高温にさらされ一度溶けて融合し、人工鉱物である「トリニタイト」を生成しました。この核実験で生成されたトリニタイトは気化した銅線が含まれているため赤色になっていることが特徴です。

数十年後、科学者たちはそのトリニタイトのかけらに隠された秘密を発見します。それはトリニタイトに生成が不可能と考えられていた「準結晶」が含まれていることです。食卓塩からダイヤモンドに至るまで、ほとんどの結晶は同じ法則に従っていますが、準結晶はこの規則を破り、原子の配列パターンを繰り返さない特殊な物質です。

ロスアラモス国立研究所の地球物理学者テリー・ウォレス氏は準結晶を下記のように述べています。

準結晶は、地球上にはめったに存在しない極限環境で形成されます。準結晶を生成するには、極端な衝撃、温度、圧力を伴う出来事が必要です。核爆発のような劇的なものを除けば、通常、そのような現象は見られません。

イタリアのフィレンツェ大学の地質学者ルカ・ビンディ氏が率いる科学チームは、トリニタイトに含まれる準結晶を詳しく調べることにしました。走査型電子顕微鏡やX線回折などの技術を用いて分析したところ、ケイ素、銅、カルシウム、鉄からなる20面体の小さな粒で、通常の結晶ではありえない5重の回転対称性を持っていることが分かりました。

この発見は人為的に形成された準結晶としては最古のものであり、準結晶が形成される自然な経路が他にもある可能性を示唆しています。

また研究者たちは「核兵器の拡散を抑えるという最終的な目的に向けて、不正な核実験をよりよく理解するのにも役立つ」と述べています。


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