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空調や電話の音、話し声など、オフィスの環境音が気になり、集中できない。
知識は豊富。でもコミュニケーションがちょっと苦手…。
そうした特性のある人が働きやすい職場って?
製薬会社大手の武田薬品工業株式会社(本社:大阪市)が企画運営する「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」。
「ニューロダイバーシティ」とは、「Neuro(脳・神経)」と「Diversity(多様性)」の2つの言葉が組み合わさって生まれた言葉で、「脳や神経に由来する特性の違いを多様性と捉えて互いに尊重し、社会の中で活かしていこう」という考え方だ。
そうした考え方をもとに職場の環境を整え、誰もが働きやすい社会を目指すこの取り組み。その一環として、4月20日、ワークショップが開催された。
特性を知ることの大切さ
参加者は4人で1つのグループになり、課題に挑戦する。その際、3人が発達障害の特性のある役を、1人がその3人の上司役を演じるロールプレイ形式で、特性のある人とない人が一緒に働く時のコミュニケーションやマネジメントの工夫を学ぶというもの。
ワークショップ後にはグループごとに気づきを発表。
参加者からは「課題に取り組む際、それぞれの特性(=得意、不得意)を知った上で取り組むのと、そうでないのとではぜんぜん違うと感じた」「自分の特性をグループのメンバーに知ってもらうことで、安心して自分の力を発揮することができた」などの感想が寄せられた。
なかでも多かったのは、「仕事においてメンバーそれぞれの特性を活かすことは簡単ではないが、何より相手を知ることの大切さを実感した」という声。ロールプレイ形式だからこそ、特性によって生まれる困難さを、参加者の多くが自分ごと化していた。
ほかにも、職場の環境音が気になり、目の前にいる人の言葉が聞き取れない聴覚過敏(※)の体験などが実施された。
※聴覚過敏…感覚過敏の1つで、環境音などに不快感やストレスを感じる状態のこと。耳をふさぎたくなるほど音が大きく聞こえる、音が頭の中で反響するなど、症状には個人差がある。
働く人の約5%がグレーゾーン
武田薬品工業が実施した「職場における脳・神経の多様性に関する意識調査」によると、オフィスワーカーの約5%が診断は受けていないものの発達障害の特性が見られる、いわゆる発達障害グレーゾーンにあたるという。
いまや企業にとって、社員が互いの特性を理解し、ビジネスに活かしていくニューロダイバーシティの実現は必須。こうした場が職場での実践につながることに期待したい。
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