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5月11日午前4時16分頃、千葉県木更津市で震度5強を観測する地震があった。
大きな地震をめぐっては、5日に石川県珠洲市で震度6強の地震があったばかりで、SNSでは「大きい地震が続く」「今度は関東か」などと、不安の声が相次いだ。
そんな中、地震の数日前に「地震雲」を見た、といったツイートが拡散している。
特異な形をした雲の写真が投稿されるなど、たびたびネット上で話題になる「地震雲」だが、科学的な根拠はあるのだろうか。
緊急地震速報で「心臓バクバク」がトレンド入り
気象庁によると、5月11日の地震は千葉県南部が震源地で、地震の規模を示すマグニチュードは5.2。フィリピン海プレート内部で発生した地震という。
東京都と千葉県では緊急地震速報が発令され、Twitterでは「心臓バクバク」「緊急地震速報」「大きめな地震」がトレンド入り。
同庁は、落石や崖崩れの危険性が高まっているとし、1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意するよう呼びかけた。
「地震雲」が話題に
一方、Twitterでは「地震雲」が話題になっている。
あるユーザーは、地震直後の5月11日午前4時24分に「やっぱ、土曜日のは地震雲。3.11の5日前も現れたとか。今のが余震で、本震来るかも?みな気をつけて」と投稿。
ツイートには、複数の「円」が重なり合ったような雲の写真が添付されていた。
この投稿は午前11時半現在、48万インプレッション、1500いいねが付き、リプライ欄には「大きな地震が来る可能性があるので警戒しないと」や「地震と曇って関係してるんですね」といった書き込みもあった。
地震雲があるといえる科学的根拠はない
しかし、巷で呼ばれている地震雲については、あるといえる科学的根拠がないため、拡散には注意が必要だ。
気象庁ホームページの「よくある質問集」に、「地震雲はあるのですか?」という項目がある。
それによると、雲は大気の現象で、地震は大地の現象のため、全く別のものであるという。
大気は地形の影響を受けるが、地震の影響を受けるかどうかについては科学的なメカニズムで説明できない、としている。
地震はいつもどこかで発生している
日本では震度1以上の地震は年2000回程度あり、平均すれば1日あたり5回起きていることになる。震度4以上も年50回程度発生している。
地震はいつもどこかで発生しているが、その度に特異な形をした雲が発生しているわけではない。そもそも雲は、上空の気流や太陽光で珍しい形や色に見えることがある。
つまり、地震雲と地震の発生は、一定頻度で発生する全く関連のない二つの現象が、見かけ上そのように結びつけられることがあるという程度のことで、現時点では地震雲に関する科学的な根拠はないということだ。
雲は地震の前兆にはならないため、日頃からきちんと災害への備えをしておく必要がある。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「地震雲を見た」「3.11前にも…」未明の震度5強で拡散も、雲が地震の“前兆”にならない理由