パンデミックの影響もあり、「フードデリバリー産業」は急成長をしています。しかし、フードデリバリーには「顧客」「配達員」「レストラン」の観点で数多くの問題があります。
フードデリバリー産業が抱えている問題について、海外YouTubeチャンネル「Logically Answered」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology *Source:Logically Answered,wikipedia
現在のフードデリバリー産業は、ほぼすべての人が利用するサービスになっています。実際、アメリカ人の86%が月に1回以上フードデリバリーを利用しています。さらに31%は週に2回以上利用しています。若者にとってフードデリバリーで注文することが食生活の全てなのです。
ただ、フードデリバリーの利便性の高さを考えれば、これはあまり驚くことではありません。なぜなら、近くにあるほぼすべてのレストランがフードデリバリーに対応し、1時間以内に玄関先まで届けてくれるからです。ほんの10年前、選択肢は基本的にピザに限られていたフードデリバリーとは、まったく対照的です。
今のフードデリバリーは確かに便利ですが、誰にとってもお得というわけではありません。平均的なアメリカ人は毎週約5,000円をフードデリバリーに費やしており、月に約2万円、年に約24万円以上費やしています。そのうちの3分の1以上は、サービス料、配達料、チップに充てられ、1回の注文につき約1,700円、1年間で約9万円にもなります。このお金をもし、フードデリバリーではなく、投資などに利用していれば資産を増やすことができるはずです。
割に合わない買い物をしているのは、最終消費者だけではありません。実は、フードデリバリーは、レストランや配達員、あるいはフードデリバリーアプリ自体にとっても、それほど良いものではありません。フードデリバリー産業にはどのような問題があるのでしょうか?
まずは、消費者目線の問題について解説します。 一人暮らしの場合、毎週8,000円から12,000円の間で食料品店で買い物をする傾向があります。つまり、1週間あたり平均10,000円ということです。一方、フードデリバリーを利用した場合、注文1回につき4,000円を費やしているそうです。フードデリバリーを利用する場合、配送料なども支払う必要があるため高額になります。
そのため、週に1回フードデリバリーを注文するだけでも、平均的な人の食費は50%近く増えることになります。週2回なら80%、週3回なら120%出費が増えることになります。このように、フードデリバリーは食費を激増させるのです。
配達員は、無一文の大学生や若者にとって儲かる手段かもしれませんが、特にキャリアとしては、言うほど良いものではありません。そして、1日12時間働いたとしても莫大な金額を稼げるようなことはありません。
もし、仮に配達員として大金を稼げたとしても問題はまだあります。税制上、配達員は自営業に該当します。そのため、税金や社会保険料の負担が大きくなり、退職金などの制度も利用することができません。さらに、有給休暇や病欠なども利用することはできません。
また、配達員の仕事は会社員と比べて安定もしていません。もちろん、配達員の中には大金を稼げている人もいますが、一般的にフードデリバリーの配達員は不安定で最低賃金の仕事なのです。
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誰も儲からない「フードデリバリー産業」の残念な仕組み