ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称ディズニーはこの数十年の間に、マーベルやスター・ウォーズといった強力なIPを武器に、あらゆるメディア産業に進出してきました。また、世界中に点在するディズニーランドも忘れてはいけません。
しかし、盤石にみえるディズニーですが、実は苦戦もみえはじめています。これについて、海外YouTubeチャンネル「Logically Answered」が解説しています。
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ディズニーが苦戦している理由とは?
家で過ごすときは、ディズニーのストリーミングサービスを利用し、外に出れば、ディズニーのテーマパークで遊ぶことができます。
このように独自の強みを持つディズニーですが、パンデミックが始まってからは、あまり上手くいっていません。実際、年間約100億ドル(約1.3兆円)あった純利益は、マイナス50億ドル(約-7,000億円)にまで落ち込んでいます。
その後、再び黒字に戻っていますが、現在の純利益は30億ドル(約4,000億円)と、パンデミック前と比べると大きく減少しています。
このことを考えると、ディズニーの株価が完全に消し飛んでしまったと聞いても驚かないでしょう。2021年初頭のピークから、ディズニー株は約50%下落しました。これは1,880億ドル(約25兆円)の時価総額の損失に値します。
では、なぜこれほどのエンタメ帝国を所有し、Netflixに競り勝っているにもかかわらず、ディズニーは苦戦しているのでしょうか。
投資家の観点からみると、ディズニーを悩ませている最大の問題の1つは、圧倒的な成長率の低さです。投資家にとって最も期待はずれのセクターは、おそらくディズニープラス(Disney+)でしょう。
ディズニープラスが立ち上げ以来、大成功を収めていることを考えると、これは不思議に思えるかもしれません。ディズニープラスは、2年半で加入者数が0から1億3770万人に増加しています。Netflixが2億人の加入者を獲得するのに15年かかったことを考えれば、驚異的な成長です。
しかし、多くの投資家は、パンデミック後の世界でディズニープラスがどのようなパフォーマンスを発揮するのか心配しています。
2021年の第3四半期と第4四半期のディズニープラスの加入者数を比較すると、1億1600万人から1億1810万人とほとんど動いていないことがわかります。つまり、この四半期全体で210万人しか加入者が増えていないということです。これは、投資家の期待する900万人の新規加入者数とは大きくかけ離れています。
なぜ年末にこれほどまでに加入者数が伸び悩んだのでしょうか。それは、ディズニーの会計四半期は、私たちがよく知る税務上の四半期と正確に一致していないからです。
一般的な第1四半期は実はディズニーの第2四半期で、第2四半期はディズニーの第3四半期なのです。ディズニーが2021年の第3四半期と第4四半期を報告するとき、実際には2021年の第2四半期と第3四半期の期間を指します。この期間は基本的に夏のピークから秋に入る時期です。
この時期は、学校が休みになり、気候も良いので、人々が旅行や社交行事に参加する可能性が高い時期です。そのため、2021年の夏の間にディズニープラスの加入者数の伸びが大幅に鈍化したのも納得がいきます。
オミクロン株が大きな懸念材料となった2021年の冬場と2022年の年明けに、ディズニープラスの加入者増は再び回復しました。しかし、再び夏に近づくにつれ、投資家はディズニープラスの成長率が下がるのではないかと心配しています。
コロナ渦が始まって以来、ほとんどの人が旅行をやめていたことを考えると、この不安はさらに大きくなるでしょう。コロナ渦の中にやることがなくて、ディズニー+に加入したユーザーも多いはずです。しかし、通常の生活に戻ると、その多くが解約されるかもしれません。
Netflixが10年ぶりに20万人の加入者減を記録したのも、あまりいい兆候ではありません。言うまでもなく、この状況は、夏に向けてさらに悪化すると考えられます。
現在、ディズニーは、2024年9月までに2億3000万から2億6000万人の加入者を獲得できると予測しています。しかし、現時点では、この目標を達成するためには、毎四半期1,100万から1,200万人の新規加入者をコンスタントに達成しなければなりません。
ただ、2020年末以降、1,100万から1,200万人の新規加入者を記録した四半期は1回しかありません。そのため、多くの投資家はディズニーの予測に懐疑的であり、投資家が大量に離脱することを促しています。
このままだと、ディズニープラスは今後、数四半期以内に打撃を受けるでしょう。しかし、冒頭で述べたように、ディズニーには多面的なビジネスがあり、様々な環境で成功することが可能です。
オリジナルサイトで読む : AppBank
「ディズニーの大苦戦」を日本企業が笑えない訳