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16世紀のミケランジェロの作品「ダビデ像」を、6年生の児童に見せたアメリカ・フロリダ州のタラハシー・クラシカル・スクールの校長が解雇された。
地元の新聞タラハシー・デモクラットは3月23日、一部の親がダビデ像を「ポルノグラフィー」と呼んだと報じている
一方、解雇された元校長のホープ・カラスキージャ氏は「状況はそれよりも少し複雑です」とハフポストUS版の取材で語った。
カラスキージャ氏によると、ダビデ像のような古典芸術作品を見せる時には、通常は事前に手紙で親に伝えている。しかし伝達ミスが生じて6年生の保護者に手紙が届かず、何人かが苦情を申し立てたという。
カラスキージャ氏は、親の1人は「非常に興奮しており」「自分の子どもたちがこういった作品を見るべきではないと考えていました」と述べた。
タラハシー・クラシカル・スクールの理事会は20日、校長に辞職もしくは解雇のどちらかを選択するよう求める決議を採択。タラハシー・デモクラットによると、カラスキージャ氏は、同校が2020年秋に開校して以降、3番目の校長だった。
理事長は「親の権利は他のすべてに優先する」
この問題の背景には、初等教育への介入を強化しようとする保守派の動きがある
ダビデ像は、ミケランジェロが1501年から1504年にかけて制作した作品だ。旧約聖書にでてくるダビデ王の裸体の彫刻で、元々はイタリアの大聖堂内に展示するために作られ、現在はフィレンツェのアカデミア美術館に収蔵されている。
カラスキージャ氏は古典教育を10年間教えてきたため「ルネサンス芸術に腹を立てる親がいることを知っていた」と説明した。
そして、バーニー・ビショップ理事長の反応には驚かなかったものの「他の理事が彼に追随したのは予想外だった」と述べた。
一方、ビショップ氏は「ダビデ像は、カラスキージャ氏の複数の問題の1つにすぎない」とハフポストの取材で回答した。しかし学校の弁護士からアドバイスされたという理由で、問題の詳細については語らなかった。
さらに、ビショップ氏は、親が子どもの初等教育に積極的に関わることができるようにする法律を求めて、ロビー活動を行っているとも説明。「親の権利は他のすべてに優先する」と述べた。
タラハシー・クラシカル・スクールは、古典教育を中心とした公立のチャータースクールだ。伝統的な西洋のリベラルアーツを通して、生涯役立つクリティカル・シンキングのスキルを身に付けることを目的とした教育を提供している。
こういった古典教育は、学校に通わず家庭で学習する「ホームスクーリング」を好むキリスト教の信者の間でも人気がある。
ビショップ氏は、親たちは「ウォーク(人権や差別などの社会問題に敏感で、高い意識を持っている人々)の洗脳を好まなかった」と語り、カラスキージャ氏について「自分の経験を共有し、注目を集めようとしている」とも非難した。
一方、カラスキージャ氏は、多くの保護者や教職員が解雇に異議を申し立てており、支援を求めていると述べた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ダビデ像を見せた米校長を解雇。一部の親が「ポルノ」と批判