東京地検特捜部は森喜朗元首相についても、8月中旬から9月初旬にかけて複数回にわたって任意で事情聴取しているが、森、竹田の両人はまさに五輪汚職のキーマン。“疑惑の本丸”にメスが入り、その不正の全貌が明らかになる可能性もゼロではなくなってきた。
しかも、ここにきて、高橋容疑者をめぐる新たな政界人脈の存在を指摘する記事が「文藝春秋」10月号に掲載され、大きな話題を呼んでいる。高橋容疑者を五輪プロジェクトに引き入れたのは安倍晋三・元首相であり、その際、「絶対に高橋さんが逮捕されないように守る」と約束していた、というのである。
記事によると、そもそも高橋容疑者は当初、五輪招致にかかわるつもりがなかったというが、2012年12月に第二次安倍政権が発足すると、高橋容疑者のもとに安倍首相から直々に電話がかかってきた。当時の状況を高橋容疑者は知人にこのように語っていたという。
「安倍さんから直接電話を貰って、『中心になってやって欲しい』とお願いされたが、『過去に五輪の招致に関わってきた人は、みんな逮捕されている。私は捕まりたくない』と言って断った。だけど、安倍さんは『大丈夫です。絶対に高橋さんは捕まらないようにします。高橋さんを必ず守ります』と約束してくれた。その確約があったから招致に関わるようになったんだ」
一国の総理大臣が “犯罪を犯しても逮捕されないようにする”と約束するとは、法治国家とは思えない暴挙ではないか。にわかには信じがたいが、しかし、これを掲載したのは、三流週刊誌ではなく、天下の「文藝春秋」だ。それなりの裏付けをとっているとみるのが妥当だろう。
実際、あらためて取材してみると、安倍元首相と高橋容疑者の深い関係、さらには「捕らないようにする」の言葉どおり、東京地検特捜部が安倍政権時代、高橋容疑者の五輪招致をめぐる不正をつかみながら、疑惑に蓋をしていた事実が浮かび上がってきた。
安倍家と高橋家は親戚だった!二信組事件を起こした弟・高橋治則が証言、国会の証人喚問でも…
今回、高橋容疑者が逮捕された容疑やマスコミが報道している疑惑はすべて、2014年、東京五輪の招致が決定し、高橋容疑者が組織委員会の理事になって以降のものだ。報道各社は高橋容疑者が組織委発足から間もない2014年3月に決まった34名の理事に入っていなかったのに、そこから3カ月後の6月に追加で35人めのメンバーに選ばれたことに注目。その経緯について「森会長のツルの一声で決まった」「竹田恒和・JOC元会長が強力なプッシュをした」「五輪事業を電通が落札した後、電通が押し込んできた」など、さまざまな報道をしている。
しかし、くだんの「文藝春秋」記事が事実なら、高橋容疑者は組織委理事になる1年以上前、招致活動の段階から、当時の安倍首相の意向で、東京五輪に関わっていたことになる。
結論から言うと、これは事実の可能性が高い。高橋容疑者は招致活動の組織だった東京五輪招致委員会の正式な委員ではなかったが、途中から「スペシャルアドバイザー」という肩書きで招致委員会に出入り。五輪を東京にもってくるための裏工作の中心的役割を務めていた。
(略)
たしかに、安倍元首相と高橋容疑者は、旧知どころか、かなり深い関係がある。高橋容疑者の実弟は、政商として名を轟かせたあげく、二信組事件で逮捕された高橋治則・東京協和信用組合元理事長だが、安倍元首相の父親・晋太郎はこの高橋治則と非常に親しく、タニマチ的な支援を受けていた。
治則氏自身が事件発覚前、「AERA」(朝日新聞出版)1991年6月18日号のインタビューで、安倍晋太郎との関係について、こう語っている。
「政治家とは、何かをするために、付き合ってきたというわけではない。選挙に出る前からの友人が幾人かいるというだけ。亡くなった安倍晋太郎さんとは親戚です。血がつながっている。よく調べてみると、非常に近い親戚です」
なんと、安倍家と高橋家は、親戚関係にあったというのである。この事実は、二信組事件が表面化した後、国会の証人喚問でも、中西啓介・元防衛庁長官が証言している。
(略)
続きはソースで
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_12422/
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