パンプキンパイやアイスクリームのお供として人気の、ホイップクリーム。
しかし、アメリカ・ニューヨーク州でスプレー缶入りホイップクリームを購入する時には、21歳以上だと証明するために身分証明書を提示する必要がある。
なぜホイップクリームに年齢制限?
なぜ、お酒やタバコと同様にホイップクリームに年齢制限が課されるのか。
それはホイップクリーム自体に危険性があるからではなく、缶のカートリッジに含まれている亜酸化窒素が、娯楽用の薬物として使用されているからだ。
亜酸化窒素は「ホイペッツ(whippets)」「笑いガス」とも呼ばれ、高揚感などを得られることで知られている。
しかし、亜酸化窒素は、さまざまな健康的被害をもたらす危険性をはらんでいる。
薬物依存症からの回復を支援するNPO・アークアカデミーによると、亜酸化窒素の吸引で、判断力が損なわれたり、心不全やけいれんを引き起こしたりする危険性があるほか、過剰摂取で幻覚を見る場合もある。
また、アルコール&ドラッグ基金は、突然死の可能性もあると指摘している。
スプレー缶ホイップクリームがスーパーなどで簡単に入手できることから、亜酸化窒素は若い世代に人気があり、2019年に公表された調査では世界で最も乱用されている薬物トップ10にも入っている。
そのため、ニューヨーク州では2021年11月に、21歳未満にスプレー缶ホイップクリームの販売を禁止する法律が施行された。
タイムズユニオンによると、この州法は十分に周知されておらず、最近になって、店舗で通知が行われるようになった。
コンビニエンスストアのスチュアートショップでは、8月に冷蔵庫にホイップクリームの購入には身分証明書が必要であることを伝える表示が貼られたという。
州法の導入に関わったジョセフ・アダボ州上院議員は「残念ながら、“ハイ”になるためにこのガスを吸引している若者たちがいます。彼らはこれは“安全”な薬物だと勘違いしているのですが、法律により若者がこの危険な物質を簡単に入手できないようになります」と声明で述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
NYではホイップクリームを買うために身分証明書が必要。その理由とは