埼玉県の女性が韓国の医院から購入したというダイエット薬。白い錠剤(右)が輸入が禁じられている「覚醒剤原料」だった=東京税関提供(画像の一部を加工しています)
韓国の医院から輸入された「ダイエット薬」。税関の調査で輸入が禁止されている「覚醒剤原料」だと判明した=東京税関提供
ネット購入した薬が実は「覚醒剤」の原料だった――。韓国のある医院が販売している「ダイエット薬」が、日本国内では違法薬物に分類され、購入者が摘発されるケースが相次いでいる。違法性に気付かないままの購入者も多くいるとみて、税関当局が注意を呼びかけている。
8月上旬、東京税関は埼玉県内のある住宅の捜索に着手した。今年に入ってから、この住宅宛てに不審な医薬品が送られているのが何度も確認されていたからだ。捜索では、台所の戸棚から数十錠の錠剤が見つかった。住人の30代女性は調べに対し、錠剤は韓国の医院からネット購入した「ダイエット薬」と説明した。
税関関係者によると、この錠剤は「Shuperin Tab.」という名前で韓国内で流通しているものとみられる。扱っている医院のホームページでは「6万人の臨床経験と実績のある安全な処方です」などと日本語表記で紹介。処方代金や他のサプリメントと合わせた料金は1カ月分で約2万円だった。
税関が調べたところ、錠剤には「プソイドエフェドリン」という成分が10%超含まれていた。この成分には食欲を減退させる効果があるが、含有率が10%を超えれば、日本の覚醒剤取締法が輸入を禁じる「覚醒剤の原料」とみなされる。
税関関係者によると、この韓国の医院から国内に届いた同様の薬は昨年以降、全国で500件以上確認された。購入者は30~40代の女性が中心。多くは罪の意識がなく購入したとみられるため、税関ははがきを送り、輸入できないものだと注意を呼びかけている。
朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASQ8D3HGSQ89UTIL01J.html
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