https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.07.05.22277189v1
高レベルの中和SARS-CoV-2-抗体は、ワクチン誘発免疫の重要な構成要素である。
1回目または2回目のmRNAワクチン接種後まもなく、IgG反応は主に炎症性アイソタイプIgG1およびIgG3からなり、Tヘルパー(Th)1細胞によって駆動されている。
本論文では、2回目のワクチン接種から数ヵ月後、SARS-CoV-2特異的抗体は、非炎症性IgG2、特にIgG4で構成されるようになり、3回目のmRNAワクチン接種やSARS-CoV-2亜型の破たん感染によってさらに増強されたことを報告する。
IgG抗体は親和性成熟しており、高い中和能を有していたが、定数ドメインの切り替えにより、貪食能の低下など、フラグメント結晶化(Fc)受容体を介したエフェクター機能に変化が生じていることがわかった。
IgG4の誘導は、Th2細胞によっても、アデノウイルスベクターを用いた同種または異種のSARS-CoV-2ワクチン接種後にも観察されなかった。
さらに、IgG2およびIgG4産生メモリーB細胞は、IgG1またはIgG3産生細胞と表現型的に区別されなかった。
Fcを介したエフェクター機能は抗ウイルス免疫に重要であり、ワクチン接種やウイルス感染後にほとんど起こらない非炎症性IgGアイソタイプへのクラススイッチは、mRNAワクチンを用いたワクチン接種レジメンの選択とタイミングに影響を与える可能性があることが示された。
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