Appleは1976年の創業以来、ロゴを変化させ続けてきました。Appleのロゴの変化の歴史を、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Apple Explained,LogoCreative,wikipedia
現在とは全く違うApple最初期のロゴ
Appleのロゴは、1976年の複雑なイラストから、今のシンプルなデザインにどのように変化してきたのでしょうか。
Appleは歴史上最も象徴的なブランドであり、そのロゴは誰もが認めるところです。そのシンプルでわかりやすい美しさは、世界で最も価値のある企業を象徴し、時代を超えたシンボルとなっています。
しかし、Appleのロゴはずっと今のものではありません。1976年当時のロゴはイラストのようなものでした。このロゴをデザインしたのは、Appleの3番目の共同創業者であるロン・ウェインです。
この絵は墨汁で、リンゴの木の下に座って本を読んでいるアイザック・ニュートンが描かれています。そして周りには「Apple Computer Co.」と書かれた布のバナーが描かれています。
そして、絵のフレームには文字が描かれています。そこには「ニュートン…奇妙な思考の海を永遠に航海する心…たった一人で」と記載されています。
これはイギリスの詩人である、ウィリアム・ワーズワスの言葉です。彼は「前奏曲第3集:ケンブリッジの住まい」の中でこう書いています。
私の枕から、月や星の光に照らされて、ニュートンのプリズムと静かな顔の像が立っている控えの間を私は見ることができた。
このロゴは、明らかに芸術的な価値がありました。しかし、ジョブズには受け入れられませんでした。
彼は、Appleはもっとスタイリッシュなロゴを持つべきだと主張し、このロゴが「Apple I」の販売低迷の原因の一つではないかと考えました。
そして、ジョブズは正しかったのかもしれません。なぜなら、イラストのロゴは、テクノロジー企業としては芸術的すぎ、コンピューターや小さなサイズで再現するには、複雑すぎたからです。
そこでジョブズは、ロブ・ジャノフに新しいロゴのデザインを依頼しました。ジャノフは、レジス・マッケナ広告社のアートディレクターで「コンパック」「アメリカ・オンライン」「インテル」の創業期のブランド・アイデンティティの確立を支援してきた人物です。
ジョブズは、1977年4月17日のウエストコースト・コンピュータ・フェアで「Apple II」を発表する予定だったため、Appleに新鮮でモダンな外観を持たせたいと考えていました。
ジャノフは、白地に黒いリンゴのシルエットを使うことを考えましたが、何かが足りないと感じていました。そこでジャノフは「リンゴを一口噛む」というアイデアを思いつきました。ジャノフは「チェリーではなく、リンゴであることを理解してもらうために、一部を欠けさせました。」と述べています。
ただ、同じくレジス・マッケナ広告社に勤務していたビル・ケリーは、この話を少し違った意味で覚えています。ケリーは、このリンゴは知識を得ることの象徴であり、聖書でイブが食べた知恵の樹の実であるリンゴに由来すると述べています。
ジャノフはその後「Apple II」のカラーに影響を受けて、リンゴのロゴにカラーストライプを加えました。また、色の多くはジョブズ自身が指定しました。
そして、このAppleのロゴは、1997年4月の「Apple II」の発売時に実際に使用されました。
しかし、このカラフルなAppleのロゴには大きな問題がありました。それは、色とりどりの帯を印刷する為に、多くの工程が必要になったことです。さらに、1本でも印刷にミスがでると、他の色と重なってしまい、やり直しになってしまいます。
そのため、カラフルなAppleのロゴを印刷するのに、大変なコストがかかったのです。そこでジャノフが提案した方法は、色のついたストライプを黒い細い線で区切れば、もっと安く印刷できるのではないかというものでした。
しかしジョブズは、お金を惜しまず、このロゴをそのまま残すことを要求しました。Appleのヨーロッパ事業部長は、この伝説的なアップルロゴを「欲望と知識のシンボル」と呼んでいます。
さて、Appleのロゴマークが出来ましたが、まだ現在のロゴとは違いがあります。当初のAppleのロゴマークには「apple computer inc.」と記載されています。この文字は、1975年にオトマー・モッターによってデザインされた「Motter Tektura」という書体で書かれています。
そして、80年代前半には「Apple Computer Inc.」から「Apple」に変更しました。このロゴは「Lisa」で使用されています。また1984年、初代Macintoshの発表に合わせて、Appleは「Motter Tektura」の使用をやめ、より洗練された「Garamond」に置き換えました。しかし、実はAppleは「Apple Garamond」という独自のカスタムバージョンの書体を持っていました。
当時のAppleの広告や印刷物には「Think different」というスローガンが入っていました。
しかしAppleは、この頃からロゴ単体をアピールするようになりました。Appleのレインボーロゴは、ジョブズが会社を離れても変わることはありませんでしたが、書体は「Apple Garamond」から「Gill Sans」に変更されました。
オリジナルサイトで読む : AppBank
Appleロゴは過去46年間でどのように変化してきたのか?