Appleは世界で最も巨大なテック企業であり、「iPhone」や「iPad」などで大きな成功を収めています。そのCEOであるティム・クック氏が現代社会の変化に対して、強い警告を発しています。
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ティム・クックCEOが語るプライバシーの重要性と、8年前に秘密を明かしたワケ
Appleが常に意識してきたのが「プライバシー」の重要性です。これはかのスティーブ・ジョブズがCEOだった時代から引き継がれ、今ではAppleが軸としている方針でもあります。
スティーブ・ジョブズは10年以上前、「アプリがユーザーを追跡する可能性がある」と予言し、これは現実となりました。Appleはこれに対して、ユーザーの追跡に制限をかけることを押し進めてきました。
Appleの現CEOであるティム・クック氏は先日、世界で最も影響力のある人物を取り上げたTIME100のサミットで、「TIME」編集長と語り合いました。彼はこの中でも、「プライバシーの喪失を深く恐れている」と語り、現代社会の危うさを語りました。
もし、常に監視されていると感じ始めたら、私たちの行動は変わるでしょう。行動を減らすようになり、物事をあまり考えなくなる。考え方が変わり始めるのです。自制が働きすぎる世界では、社会が大きく変化してしまいます。
彼はさらに、人々が自らプライバシーを守るのは難しい、と示唆しました。
企業、あるいは誰もが、何の根拠もなく、自分のデータを吸い上げていると指摘するのは難しい、それが私の大きな懸念です。
クック氏はプライバシーの問題に関して懸念を示しつつ、楽観的であることも述べています。Appleは、Google、Facebook、Amazonといった他の大手テック企業に比べ、積極的にプライバシーの保護に取り組んできました。彼はサミットの中で、Appleがユーザーのプライバシーを守れる製品を提供していることを説明しました。
しかし、そんなクック氏もまた、自身のプライバシーの喪失を選択したことがある、とも語っています。彼は2014年、自身がゲイであることを公にしました。
私がこのような行動をとった理由は、若者を助けたいと思ったからです。LGBTQコミュニティがひどくいじめられているのを目の当たりにしたのです。
(中略)自分がゲイであること、そしてそれを誇りに思っていることを世界に伝えることで、一人でも多くの人を助けることができるのなら、自分のプライバシーへの欲求は横に置いて、それを実行すべきだと思いました。
この告白の前、会社への影響や社会からの受け止められ方など、様々なことを天秤にかけたとクック氏は語っています。しかし最終的には、自身のプライバシーと引き換えにすることで、コミュニティを助けることを選択したのだそうです。
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