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「隠部に顔を押し当てられた」トランスジェンダー女性が「SOGIハラ」として、ピクシブと元上司を提訴

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SOGIハラスメントについて提訴した原告の女性(右)と仲岡しゅん弁護士SOGIハラスメントについて提訴した原告の女性(右)と仲岡しゅん弁護士

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブ株式会社に勤めるトランスジェンダー女性の社員が5月27日、職場で継続的にハラスメントを受けたなどとして、同社と元上司の男性に約555万円の損害賠償などを求め、東京地方裁判所に提訴した。

性的指向や性自認に関するハラスメントは「SOGIハラスメント」と呼ばれ、法律の面からも対応が進められている。

同日、東京地裁で記者会見が開かれ、原告の女性は職場で女性とトランスジェンダーがそれぞれハラスメントを受けた際、周囲の受け止め方の重みが違うように感じたといい、「LGBTQは特に、声を上げにくい部分があると思う。男性や女性、性的マイノリティーに限らず、誰に対してもハラスメントはしていけないという認識が広がってほしい」と訴えた。

◆「SOGIハラスメント」とは?

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「SOGI」とは、恋愛や性愛の対象を表す「Sexual Orientation」(性的指向)と、自身の性をどのように認識しているかという「Gender Identity」(性自認)を表し、これに関する嫌がらせは「SOGIハラスメント」と呼ばれる。

日本では長らくLGBTQへのハラスメントを禁止する法律がなかったが、2020年6月(中小企業では2022年4月から)、改正パワハラ防止法が施行。

SOGIを理由に差別的な言動や行動をとったり、不利益な待遇を強いたりすることや、労働者のセクシュアリティを本人の了解を得ずに暴露するアウティングはハラスメントにあたり、企業にはそれらを防止する義務が定められるようになった。

性的指向や性に関するアイデンティティは、LGBTQに限らず全ての人が持っており、SOGIという言葉を使うことで、多くの人が性に関する問題を自分ごとに捉えられるという指摘がされている。

◆どんな裁判なのか

東京地方裁判所東京地方裁判所

原告の女性は、2018年4月にピクシブに入社した。訴状によると入社直後から、元上司の男性に、わいせつな言葉をかけられたり、隠部に顔を押し当てられたりするなどのハラスメントを受けたという。

原告は、社内のセクハラ窓口の担当弁護士に相談。

会社側からは、元上司の男性について、原告と同じ部署にしないことや社内の飲み会に一切参加させないといった措置を約束されたが、反故にされ精神的苦痛を強いられたとし、原告側は「同社が職場環境配慮義務を違反している」と主張している。

◆訴訟を通し、生きやすい社会を

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原告の女性はこの訴訟を通して伝えたいことについて、「ハラスメントに悩むLGBTQも多い」と指摘した上で、「ハラスメントという言葉で、嫌がらせの重みが和らいでしまっていると感じることがあります。自身の性を馬鹿にしたり、下着に手を入れたりという行為はやってはいけないと、しっかりと広がってほしい」と語る。 

SOGIハラスメントについては、法整備が整ってきたものの、訴訟に発展するケースはまだあまり多くはないという。

原告代理人の仲岡しゅん弁護士は、性的指向や性自認に関するハラスメントはこれまでもあったが、多くの当事者の方が我慢してきたとし、「訴訟を通し、見過してはいけないという空気を広げ、生きやすくなるようなリーディングケースを作っていきたい」と話した。

ピクシブはハフポスト日本版の取材に、「訴状を受け取っていないため、コメントは控えさせていただきます。正式な訴状内容を確認の上、適切な対応を行ってまいります」としている。

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「隠部に顔を押し当てられた」トランスジェンダー女性が「SOGIハラ」として、ピクシブと元上司を提訴

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