5月20日(2022年)に発売されるゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンが「MOMENTUM True Wireless 3(モメンタム・トゥルー・ワイヤレス・3)」です。
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今回はその実機をゼンハイザージャパンから発売に先がけて提供してもらうことができたので、実際に約2週間ほど使用してみた結果をレポートしていきます。
◇ Sennheiser(ゼンハイザー)
「MOMENTUM True Wireless 3」の発売日
- ブラック 2022年5月20日
- ホワイト 2022年夏以降
◇ Sennheiser(ゼンハイザー)
「MOMENTUM True Wireless 3」の価格・値段
- 36,300円(税込・記事作成時点におけるAmazonの予約価格)
Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」開封の儀
前モデル「MOMENTUM True Wireless 2」の発売から約2年の時を経て登場したのが、今回レビューしていく最新モデルの“3”です。
7mm口径のダイナミックドライバーを備え「歪みを最低限に抑え、淀みないクリスタルのような音、溢れる臨場感、正確で深みのある低域、ナチュラルでクリア な中高音域、全ての音を忠実に再現
」したサウンドが特徴とのこと。さらに「aptX Adaptive」や96/24bitのハイレゾ級音源に対応するなど、完全左右分離型のBluetooth・ワイヤレス・イヤホンのハイエンド・モデルにふさわしい性能を備えています。
パッケージを開封するとこんな感じ。
同梱物はイヤホン2つと充電用ケースのほかに取扱説明書、シリコンイヤーアダプター、シリコンフィン、充電用ケーブル(USB-A to USB-C)など。なお、シリコンフィン(四角い枠のようなパーツ)は“3”から新たに追加されたもので、耳の中に軽い引っかかりをつくることでランニングの際などにフィット感を高められます。
イヤーアダプターは本体に装着済みのMサイズのほかに「XS・S・L」サイズが付属します。
ちなみに、筆者は体が大がらで服はXやXLを選ぶので「自分に合うイヤーアダプターが小さいことはないだろう」と思い込んでいたのですが、実際はSサイズがピッタリでした。このように耳の中の形状は千差万別であり、フィットするサイズは必ずしも体の大きさとは比例しないようなので、一通りぜんぶのサイズを試してみるのがおすすめです。
ケースの外側はファブリックがあしらわれたデザイン。ツルッとしたプラスチックとはちがい、ふたの開け閉めの際にしっかりグリップできるのが良いところです。
なお、ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 3」の公称バッテリー駆動時間はイヤホン単体で7時間、ケース併用で最長28時間となっており、10分の充電で1時間の再生に対応するクイックチャージやワイヤレス充電機能も備えているとのこと。重量はケースとイヤホンを併せて約78gです。
実使用時の際にもバッテリーもちの良さは実感でき、朝夕の移動の際に音楽を聞きつつ、1日は飛行機移動の際に数時間ポッドキャストを聞く、といった使い方をして5日間充電なしで過ごすことができました。
強めのマグネットでしっかりと閉じられたケースのふたを開くと中にイヤホンが入っています。ケース側には特に防水や防滴機能はありませんが、イヤホンはIPX4の防滴仕様で汗や小雨がかかっても問題ないそうです。
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Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」のカラーバリエーション
カラーバリエーションはホワイト(左)とブラック(右)の2色。
ホワイトはイヤホンが真っ白で、ケースはベージュがかった色合いです。
Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」実機フォトレビュー
イヤホンを装着した際に外から見える部分は、前モデルのシルバーカラーから落ち着いたマットブラックに刷新され、全体のサイズもひとまわり小さくなっています。
イヤホンの重量は片側約5.8g。
内部にはクアルコム性のBluetoothチップに加えて、DSPチップ(アクティブ・ノイズキャンセリング用チップとDAC用チップが融合した物)を搭載しています。
片側に合計3機のマイクを備え、2つのマイクでビームフォーミングで正確に発話者(自分)の声を拾うことでノイズの少ない通話を可能にしています。また、耳の内側に向けられたマイクで耳管や骨を通して体の中で響く音を拾うことで周囲の騒音が大きい場所でも旧来よりクリアな音声を届けることが可能となっています。
Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」のアプリをチェック
ゼンハイザーからはiOS(iPhone)とAndroid用に専用アプリが提供されており、それぞれ無料でダウンロード可能です。
アプリストアで「ゼンハイザー」と検索するとアプリが表示されるのでダウンロード。なお、Appストアの場合、初回ダウンロードには「入手」と表示されています。
起動すると「ようこそ」と表示されるので利用条件などに「同意する」を選択をした後、「続行」をタップ。
アプリのデザインが刷新されているとのこと。
新しく追加された「発見」のセクションではニュースなどの最新情報をチェックできます。
「続行」をタップして進みます。
Bluetoothの接続リクエストが表示されるので「OK」をタップ。
ここでも「OK」をタップ。
アプリが自動で近くにあるイヤホンを検索してくれます。
イヤホンが表示されたところで、画像をタップするとペアリングが始まります。
ペアリング後のアプリ画面は以下の通り。
アプリからは3つのスライダーを備えた簡易イコライザーで音を調整したり、プリセットとして保存したりできます。
プリセットのサウンドモードとして、ポッドキャストなどの声を聞きやすくする設定も利用可能です。実際に試してみたところ、もともと音質がよいポッドキャスト番組の場合は使用しなくても十分聞きやすいものの、Twitterの「Space」など圧縮がかかって音質が悪い音声の場合には格段に声が聞きやすく効果が実感できました。
「Sound Zones」の機能では設定したエリアに入った際にあらかじめ用意しておいた設定を適用する機能。自宅・職場・ジムなどの異なる場所にそれぞれ好みの設定を割り当てて自動起動できます。
タッチコントロールは、表示では以下のようになっていますが、アプリから別の設定にすることも可能です。
設定メニューからはファームウェア・バージョンの確認や「スマートポーズ」「自動着信」などの設定や……
アプリの画面に非表示する項目の設定ができます。
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Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」2週間使用レビュー
ここからはSennheiser『MOMENTUM True Wireless 3』を約2週間、飛行機やカフェ、オフィスなどで実際に使用してみてわかったこと、感じたことをレポートしていきます。
例によって『AppBank.net』読者の多くがiPhoneユーザーであることを踏まえて、あえてiPhoneでテストを実施しました。
今回も『iPhone 12 Pro Max』と『Apple Music』の組み合わせです。なお、iPhoneは「aptX Adaptive」コーデック非対応のため、AACでのテストになってしまう点が残念ですが、「読者の多数のリアルな使用状況」にあわせてという次第です。
◇ Sennheiser(ゼンハイザー)
「MOMENTUM True Wireless 3」のANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)性能をチェック
というわけで、空港にやってきました。ここでANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)の性能をチェックしてみることにしましょう。
搭乗前の待機スペースはガヤガヤと話し声がして、うっすらとBGMもかかっていますが、ANCをオンにするとピタリと直近で話している人の声などの大きな音を除けばほぼ無音です。普段は意識しないような、人が集まる広い場所特有の「サー」という感じのホワイトノイズもキレイに消え、それでいてANC独特の“狭い場所に頭を突っ込んだような圧迫感”もありませんでした。
また、イヤホンをワンタップすると音楽がストップしANCもオフになるので、搭乗のアナウンスなどをクリアに聞けて便利でした。より頻繁に外の音を聞く必要がある場合は「トランスペアレントモード」に設定することも可能です。
機内の席は翼の上、ジェットエンジンのすぐそばというノイズ的にはかなりチャレンジングな環境。
ここでもエンジン音や飛行機が風を切る「ゴー」という音を「体感で8割」ほどカットすることができ、音量を「中」くらいにするだけでまったくノイズを気にすることなく音楽やポッドキャストに集中できました。さすがに座席の振動として体に伝わるノイズはどうしようもありませんが、それを除けば「本当に飛んでいるの?」と思うほど静かな世界でした。
なお、現在は離着陸の際や飛行中でもBluetoothのイヤホンやヘッドホンが使用可能になっているので、フライトすべての期間でノイズキャンセリングの恩恵が受けられます。
◇ Sennheiser(ゼンハイザー)
音質をチェック
ここからは、今回のテストで聞いた中から筆者が選んだSennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」で気持ちよく聞けた曲をご紹介します。
1曲目はクイーンダムの『チキチキバンバン』。諸葛孔明が現代日本に転生するという異色過ぎる設定が話題の『パリピ孔明』アニメ版のオープニング曲です。
スタンダードなポップ系女性ボーカル曲かと思えば、往年のディスコサウンドのようなリバーブが効いたドラムにちょっとクセがあります。低音がモコモコするようなイヤホンで聞くと濁った音になりがちですが、「MOMENTUM True Wireless 3」はそれぞれの音をしっかり鳴らしてくれました。ボーカルの個性を楽しみつつ、大箱ダンスフロアでなるような雰囲気のドラムもバッチリ。中音域がしっかり鳴るということはボーカル“だけ”の曲にフィットするのではなく、ボーカル以外がヤンチャしてくる曲にも良い、ということですね。
2曲目はZ世代のアイコンにして21世紀の歌姫ビリー・アイリッシュの『Happier Than Ever』。ビリーのシグネチャと言えるウィスパーボイス&ウクレレ弾き語りパートはニュアンス命。ここは直球でMOMENTUM True Wireless 3」が良い仕事をしてくれました。
そして、後半。コーラス、うねるベース、かき鳴らすようなギターなどが一気に盛り上がるパートですが、同時にボーカルが立ちづらい状況です。ドンシャリなイヤホンだと壊滅的ですが、このイヤホンの場合は複雑に絡み合う音がお互いに打ち消すことなく押し寄せてくるように聞こえました。
最後のほうに小さめの音でシャウトが入っているのですが、こういう音が聞こえるか否かでこの曲の真の感じ方が大きく変わるはずなので、良いイヤホンで聞くのは大事です。
そして、3曲目はグラミー賞9部門受賞、ラテンロックの超名曲、サンタナの『Smooth』です。
サンタナとそのギターサウンドと言えばハムバッカーを搭載したPRSとメサブギーの真空管アンプから繰り出す強烈に太い中域と泣きのサウンドが特徴。
独断と偏見を全開にして(?)申し上げるなら、この曲がキレイに聞こえるイヤホンこそが良いイヤホンなのです!
そして、結論。実にいい音でした。
サンタナバンドは大所帯でパーカッション、ホーン、キーボードなどにぎやかな音で、この曲が録音された当時のベースはベニー・リートヴェルト、ドラムがロドニー・ホームズという名手たち。さらにこの曲はメインボーカルのロブ・トーマスに加えて2人のボーカルが加わるというブ厚いサウンドなのです。
ライブを実際に体験すると本当に素晴らしいのですが、並のオーディオ機器ではこの独特の濃さは再現が難しいのであります。
そんな曲ですが、「MOMENTUM True Wireless 3」で聞いたサウンドはピカイチ。ギターソロで泣きに泣きまくるサンタナサウンドがピッキングのニュアンスまで細かく聞こえるし、同時にバンド全体の音も力強くなっています。しかし、改めていいイヤホンで聞くとアルバムの良さが再確認できますね(結局、ぜんぶの曲を聞いちゃいましたよ 笑)。
Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」レビューのまとめと感想
「ワイヤレス・イヤホンってイマイチだよね」という評価をひっくり返した前モデルの「MOMENTUM True Wireless 2」が「革新」だとすれば、最新モデルの“3”は「洗練」のモデルと言えるでしょう。イヤホンのサイズを16%小型化しつつ、その中に7mm径のダイナミック型ドライバーや追加のチップ、マイクなどを配し、有線イヤホンのハイエンドモデル「IE 600」と同じバックボリューム機構を備えたつくりから生み出されるサウンドは完全左右分離型のイヤホンにおけるハイエンドモデルにふさわしいものです。
「イヤホンは小型がいいけれど、音にもANCにも一切妥協したくない」という人に強くおすすめできる製品なので、気になった方はぜひ以下のリンク先から製品をチェックしてみてください。
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【動画】Sennheiser(ゼンハイザー)「MOMENTUM True Wireless 3」【公式】
オリジナルサイトで読む : AppBank
【新製品】ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 3」実機レビュー:追加チップで強化されたANCや音質を徹底チェック【広告】