イギリス国防省は8日、ウクライナに侵攻したロシア軍が一部で厳しい状況に置かれていると指摘するとともに、こうした状況は「今後も続くだろう」と述べた。
「司令官たちは前方に配置されたために大きな危険にさらされた。今回の紛争においてロシア軍士官の死亡率が異常に高いのもそのためだ」と英国防省はツイッターに投稿した。
「この結果、軍は問題にすぐ対応できないばかりか作戦の変更もできない状態になった。
戦死者の穴埋めで(司令官に)昇格した士官たちは作戦指揮の経験が比較的少ないため、こうした状況はこれからも続くと見られる」
英国防省はまた、ロシア軍の上級司令官たちは「指揮統制上の困難」や「前線でのロシア軍の働きの不安定さ」から、自ら作戦を指揮する傾向があると指摘した。
「しかしながら、前線における指揮官の存在が作戦の精度向上や修正につながったかどうかは明らかではない。
計画立案の誤った前提や(支配の)持続の失敗は今後もロシアの前進の足を引っ張り続けることになる」と英国防省は述べた。
ロシア軍が思うように前進できていないと指摘する声は他にも上がっている。
4日、米国防総省のジョン・カービー報道官は記者会見で、ロシアは期待通りの戦果を上げられずにいると述べた。
「私に言えるのは、ロシア側はウクライナ東部のドンバス地方や南部で望むような前進ができていないということだけだ。
予定よりも遅れていると思われる。彼ら(の前進)は遅く、ことあるごとにウクライナの激しい抵抗に遭っていると思われる」とカービーは述べた。
カービーはまた、ウクライナにおいてロシアの精密誘導ミサイルがなかなか目標に命中しないのは「技術的問題」のせいだと示唆した。
「それはウクライナ側の防衛だったかも知れないが、単にオペレーターの能力不足だったのかも知れない」と彼は言う。
ロイター通信は3月、アメリカの当局者3人の話として、ロシアの精密誘導ミサイルの命中率は最悪4割程度とアメリカは推定していると伝えた。
もっとも当局者はその根拠については触れておらず、命中率の低さの理由についても詳細は語られなかった。
ジェームズ・スタブリディス元NATO欧州連合軍最高司令官は先週、ロシアはウクライナで「驚くような無能ぶり」をさらしていると語った。
「現代史において、将官の死者数の多さは他に例を見ない」と、彼は米ラジオ局の取材に答えて語った。
「比較のために言うと、アフガニスタンとイラクの戦争を通して米軍は、実際の戦闘では1人の将官も失っていない。
ロシアでは2カ月で少なくとも十数人の将官が命を落とした。驚くような無能ぶりだ」
またスタブリディスは、ロシア軍は「兵站や戦闘計画の能力にも欠ける」と述べた。
もっともロシア側の見方は違うのかも知れない。3月にロシア外務省はツイッターで、ウクライナにおける作戦は「計画通り」進んでいると述べている。
今までが今までなのに急に有能になったりはしない
自ら弱さを露呈
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政府「ロシア軍の無能ぶりは今後も続く」