ロシアがウクライナに軍事侵攻して3月24日で1カ月が経った。未だ停戦の合意に至らず、泥沼化の様相を呈している。
侵攻を続けるロシア政府は、ロシアに対して経済制裁などを行う国や地域を“非友好国”などと指定し明記している。いわゆる「非友好国リスト」だ。
これらの国と地域に、どんな影響が出ているのか。
「非友好国リスト」に名指しされた国と地域にロシアが取った対応
まず、「非友好国リスト」について振り返る。
ロシア政府は3月7日に公表したリストには、ウクライナをはじめ、アメリカやEU全加盟国、イギリスやカナダ・スイス・日本・韓国・シンガポールなど対ロ制裁に踏み切った国・地域が含まれている。合わせて48の国と地域が対象だ。
リストの公表が報道された翌日の8日には、格付け大手フィッチ・レーティングスがロシアの信用格付けを6段階引き下げた。
日本や欧州諸国での影響は?
財務省が公表している貿易統計を見ると、液化天然ガス(LNG)は日本もロシアから輸入している。日本が輸入するLNGの全体の7〜8%がロシアからのものとなっていて、影響は不可避だ。
日本ガス協会の本荘武宏会長は17日に開いた記者会見で、ロシアからのLNGの調達について「今後については、各社が慎重に判断していくものと思っている」と懸念を示した。
現時点では供給に支障はないとしたものの、産経新聞によると、ロシア産が入手できなくなった際の調達の見通しについては「すぐにはなかなか申し上げられない」と代替手段については明言を避けていた。
欧州からは早くも反発の声が出ている。
ブルームバーグ通信によると、ドイツのハーベック経済相は、プーチン大統領が示したルーブルでの支払い要求を「契約違反」と指摘。欧州諸国と対応を協議すると述べたという。
イタリアはドラギ首相の顧問が「ルーブルで支払う意思はない」と明言。その理由は「ロシア制裁の軽減につながる可能性があるため」とし、ロシアへの対抗姿勢を緩めることはない構えを見せている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「非友好国リスト」に指定された国への影響は?ロシア産天然ガス「支払いはルーブルのみ」。プーチン大統領の思惑