星が最期を迎えて爆発する現象の超新星爆発がリアルタイムで観測されたと、アメリカの研究者らが1月6日に天文学術誌「アストロフィジカルジャーナル」で発表した。
観測に関わったハワイ島にあるW.M.ケック天文台の発表によると、超新星爆発のリアルタイムでの観測は史上初めてという。
W.M.ケック天文台が、その様子を再現した映像をTwitterに公開した。
Boom!💥Astronomers have imaged in real time the dying breath of a red supergiant. Via 2 Hawai'i telescopes @keckobservatory & @UHIfA Pan-STARRS, they watched the star self-destruct during its last 130 days before going supernova.
👉 https://t.co/0R26HpHFeo
📽️ Credit: @AdamGDogpic.twitter.com/8ZH6HTAux7— W. M. Keck Observatory (@keckobservatory) January 6, 2022
回転する赤色巨星の周囲に、ガスが立ち昇っている。炎のようなものが上がり、巨星全体が強い光を放った後、爆発する様子などが映っている。
W.M.ケック天文台はツイートで「ブーン!天文学者がリアルタイムで、赤色巨星の最期を捉えました。超新星になるまでの130日前(の期間)に、星の爆発の前兆を観測しました」と説明。W.M.ケック天文台やハワイ大学天文学研究所の望遠鏡で観測したという。
アストロフィジカルジャーナルで発表された論文の筆頭筆者で、米カリフォルニア大学バークリー校の研究員のウィン・ジェイコブソンガラン氏は「これは、巨星が最期を迎える直前に何が起きているのかを理解する上での大きな発見です」とコメント。
「赤色巨星が超新星になる直前の様子の直接観測は、通常のII型超新星ではこれまでされたことはありませんでした。初めて、赤色巨星の爆発を観測したのです!」と強調している。
超新星は「2020tlf」と名付けられた。
研究チームによると、観測した赤色巨星は、地球から1億2000万光年離れた銀河「NGC5731」に位置し、爆発前の質量は太陽の10倍だったという。
これまで爆発前に観測された全ての赤色巨星は、激しい噴火や光の放出は確認できず、比較的不活発だったという。「2020tlf」の観測による今回の発見は、爆発直前の赤色巨星の活動に関するこれまでの知見を覆し、内部で何らかの大きな変化が起きている赤色巨星があると示すものだという。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
これが超新星爆発だ。リアルタイムで観測、アメリカの研究者が発表(再現映像)