臨時国会が12月6日に召集され、岸田文雄首相が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。会期は21日までの16日間で、衆院選後初めての本格的な論戦が始まる。
岸田首相は所信表明演説で、新型コロナ対策や経済対策のほか、首相肝入りの「新しい資本主義」実現に向けた決意、気候変動対策、経済安全保障などについて語った。
気候変動対策、首相は何を語った?
岸田首相は「新しい資本主義」を目指すとした上で、こう述べた。
「1980年代以降、世界の主流となった、市場や競争に任せれば全てがうまくいく、という新自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、多くの弊害も生みました」
「市場に依存し過ぎたことで、格差や貧困が拡大し、また、自然に負荷をかけ過ぎたことで、気候変動問題が深刻化しました。これ以上問題を放置することはできない」
欧米の動きに触れた上で、「我が国としても、成長も分配も実現する『新しい資本主義』を具体化します。世界、そして時代が直面する挑戦を先導していきます」と決意を述べた。
一方、気候変動問題をめぐっては、「人類共通の課題である」としつつも、石炭火力発電の廃止については言及しなかった。
2050年カーボンニュートラル、2030年度の46%排出削減の実現に向け、「再エネ最大限導入のための規制の見直し、クリーンエネルギー分野への大胆な投資を進める」と強調。「送配電網のバージョンアップ、蓄電池の導入拡大などの投資を進める」とした。
石炭火力発電の廃止については言及せず、「火力発電のゼロエミッション化に向け、アンモニアや水素への燃料転換を進める」と述べた。
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しないため、石炭火力に代わる発電方式として期待が高まっている一方で、生産量が少ないことや製造過程で二酸化炭素を排出することなども指摘されている。
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岸田首相、気候変動問題「これ以上放置できない」。石炭火力廃止には言及せず