中国の前副首相と不倫関係にあったことを告発した女子テニス選手が行方不明になったと懸念されている問題で、中国の国営グローバル放送・CGTNは11月18日、「私は行方不明ではなく、安全で、全てが良い状態だ」などとするメールの文面を公開した。
これに対し、宛先となっているWTA(女子テニス協会)のスティーブ・サイモンCEOは「本人が書いたとは思えない」などとする声明を公表した。
中国の女子テニス選手、彭帥(ほう・すい)さんは11月、中国の張高麗(ちょう・こうらい)前副首相と不倫関係にあり、性的関係を迫られたなどとSNSで告発。彭さんは2014年の全仏オープン女子ダブルスで優勝するなどの実績を持つ。かたや告発の対象となった張氏は共産党最高指導部の元メンバーだった。
しかし、海外メディアによると、彭さんはその後行方が分からなくなっていると懸念されていて、WTAも11月14日に「この被害申告が弾圧されることなく、詳細かつ公正で透明性のある調査がされることに期待する」などと求める声明を出していた。
また、大坂なおみ選手もSNSで「私の仲間であるテニス選手が、性的被害を告発した直後に消息不明になっていると聞きました」と投稿し、その身を案じていた。
これに対し、中国国営のグローバル放送・CGTNは11月18日、彭さんが書いたとするメールの文面を公表。宛先はWTAで、声明について「私自身が確認したものではなく、許諾なしに公開されました」と抗議している。
さらに自身の現状について「性的暴行疑惑は事実ではありません。私は行方不明でもなく、安全で、全てが良い状態です」と綴っている。
これに対し、WTAのスティーブ・サイモンCEOは声明を公表。
このメールについて「彼女の安全と居場所に対する、私の懸念をさらに高めるだけだ」と指摘。「彼女本人は書いたものとは信じられない。WTAと世界の人々は、独立し検証可能な証拠を求めている。私は何度も彼女に連絡を取ろうと試みたが、無駄に終わった」と綴っている。
さらに「彭帥はいかなる強制や脅迫を受けることなく、自由に発言することが許されなければいけない。性的暴行に関する申し立ては尊重され、完全な透明性が確保された検閲のない調査がなされるべきだ」と主張した。
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中国国営放送、彭帥さんの「メール」を公開。女子テニス協会CEO「本人が書いたとは信じられない」