中国の前副首相から性的関係を迫られたなどと告発した女子プロテニスの彭帥(ほう・すい)選手の安否が懸念されている問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は11月21日、バッハ会長が彭選手とテレビ電話で話したと発表した。
2022年2月に北京オリンピックの開幕を控え、IOCは高まる国際社会の疑念について、いったん沈静化させたい思惑があったとみられる。女子テニス協会(WTA)や国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)などは懸念を表明していたが、IOCがこの件で公式の声明を出したのは初めて。
IOCによると、彭選手は「安全で元気に北京の自宅で暮らしているが、今は自分のプライバシーを尊重してもらいたい」と説明し、友人や家族と過ごすことを希望しているという。
中国の女子プロテニスの彭選手は11月、中国の張高麗(ちょう・こうらい)前副首相と不倫関係にあり、性的関係を迫られたなどとSNSで告発。その後、連絡が取れなくなり、安否が懸念されていた。
IOCによると、テレビ通話にはIOCアスリート委員会のエマ・テルホ委員長とIOCの李玲蔚委員(中国)も同席。30分の通話の冒頭で、彭選手はIOCに対して感謝の意を示したという。
ただ、性的関係を迫られたなどとする告発の事実関係は明らかになっておらず、国際社会の疑念が払拭されたわけではない。
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IOCバッハ会長が彭帥選手とテレビ電話で無事を確認。北京五輪を控え沈静化図る?