国民民主党の玉木雄一郎代表は11月7日、公式Twitterで「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と、他の野党に対して、憲法の議論をすることの必要性を訴えた。
■フジテレビの番組内での発言をめぐる報道でSNS上に反発広がる
11月7日朝にフジテレビ系で放送された「日曜報道 THE PRIME」の中で、日本維新の会の吉村洋文副代表(大阪府知事)は「維新の会は改憲勢力ですから、改憲に賛成の立場です。ただ憲法改正でいうと、自民党が本気にならないと憲法改正の国民投票まではたどり着かないと思っています」と改憲に前向きな立場を表明した。
同じくこの番組に出演した玉木氏も、衆参両院の憲法審査会について「開いたらいいんですよ、毎週」と発言して、各党で憲法論議を深めるべきという立場を示した。
朝日新聞デジタルによると、憲法審査会とは憲法や関連法制を調査し、憲法改正原案を審査する国会の審査会だ。衆参それぞれの議席数に応じ各党に委員が配分される。改正原案は衆参各院の審査会が過半数で可決し、本会議で3分の2以上が賛成すれば憲法改正案が発議されるという。
玉木氏の「日曜報道」での発言を共同通信が「維新と国民、改憲に向け連携 」と報じたことで、SNS上で大きな反響を呼んだ。「期待したい」と歓迎する声の一方で、「公約では経済やコロナ対策を訴えたのに、選挙が終わったら改憲で一致か」と反発する声も多かった。
■報道をやんわりと否定。憲法論議をしないと「野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはない」と意見表明
これに関して玉木氏は同日、自身のTwitterで「朝の民放の番組での私の発言がいろいろと報道されていますが、NHKのこの記事が煽りもなく客観的です」として、維新と「改憲に向けて連携」と報じた共同通信の記事をやんわりと否定。「選挙で約束した公約を一つでも多く実現するため、今後あらゆる政党、会派に協力を求めていきます」とした。
その後のツイートでも「国民民主党は憲法改正に向けた論点整理を昨年取りまとめています」「今回の公約でも『憲法論議を進める』と書いています」と強調。「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と、他の野党に対して、憲法の議論をすることの必要性を訴えた。
朝の民放の番組での私の発言がいろいろと報道されていますが、NHKのこの記事が煽りもなく客観的です。選挙で約束した公約を一つでも多く実現するため、今後あらゆる政党、会派に協力を求めていきます。
国民 玉木代表 “9日にも維新と幹事長・国対委員長会談へ” | NHKニュース https://t.co/ANqXiNNyiU
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 7, 2021
国民民主党は憲法改正に向けた論点整理を昨年取りまとめています。https://t.co/xNwE2gp69N
国民とともに憲法議論を深めていくのが我が党の立場。野党の臨時国会要求がこれほど無視されるのですから、開会期限を設ける53条改正を検討してはどうでしょうか。そもそも改憲=9条改正だけではありません。— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 7, 2021
従来の野党は「何かをしない、させない」ことに力を使いすぎで、「何かをすること」にもっと力を使わないと、国民の幅広い支持を得ることはできないと思う。国民民主党は、停滞する日本を動かしたいと思い「動け、日本。」のキャッチフレーズで衆院選を戦った。私たちは、日本を動かしていきたい。
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 7, 2021
憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう。もっと冷静にいきましょう。
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 7, 2021
今回の公約でも「憲法論議を進める」と書いています。「臨時国会の召集期限の明文化」も。 pic.twitter.com/l1gpOs1Npf
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 7, 2021
■「日曜報道 THE PRIME」での玉木氏とキャスターの質疑応答は?
フジテレビ政治部長・松山俊行氏の質問
玉木さんはそのあたり……。吉村さんは自民党の改憲はやるやる詐欺で、もっとケツ叩けという話をされてますが、これに同調して一緒にやろうという考えはありますか?
玉木氏の回答
そもそもですね。憲法審査会を開くか開かないか……。開いたらいいんですよ、毎週。議論するために国会で……。そのために歳費をいただいているので、そもそも(憲法審査会を)しないという選択肢がないと思うんですよね。
もちろん各党・各会派、いろいろな考え方があるので、賛成・反対(があって)、改憲項目も違う。で、『議論をそもそも否定する国会が当たり前』だって、「開くことがすごい」ってなっていること自体を、文化を変えていかないといけないと思います。
これは吉村知事が言ったことと同じで「自民党が本当にやる気あるのかな?」と思うことも多々あります。たとえばですね、憲法53条、これは「議員の4分の1」衆議院・参議院の議員の要求があれば臨時国会を開かないといけない。これを要求するんです、野党は。でも(国会は)開かない。なぜかっていうと期限を定めてないからです。たとえば、自民党の2012年の憲法草案には20日以内って書いてある。これは野党も反対する人、いないと思うんですよ。そういうところから、まずやっていくとかね。
自民党も4項目決めておられて大切かもしれませんが、立法府と行政の関係を正していくとか、こういうことで合意できるところからやるんであれば、そういうところから始めるとかですね。いずれにしても議論できるところからやるというのは極めて重要だと思います。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「憲法の議論をするだけで袋叩き」の野党は「若い世代に支持されない」。国民民主党の玉木雄一郎代表、憲法論議の必要性を訴える