第103回全国高校野球選手権大会は8月29日、ついに決勝を迎える。
決勝戦は和歌山の智弁和歌山と奈良の智弁学園の「智弁対決」となった。共に甲子園常連の“兄弟校対決”を前に、全国の高校野球ファンの期待も高まっている。
智弁和歌山が勝てば21年ぶり3度目の優勝。一方、智弁学園が勝てば初優勝となる注目の一戦、見どころや放送時間を整理する。
夏の決勝で「智弁対決」がついに実現
系列が同じ「智弁」の兄弟校は、実は過去に4度「公式戦」で激突している。
そのうち、夏の甲子園での対戦は、2002年の第84回大会の3回戦で1度あり、智弁和歌山が7-3で勝利した。直近では、2019年秋の近畿地区大会準々決勝で対戦し、智弁学園が17-13で勝っている。
夏の甲子園の「決勝」の舞台で対戦するのは初めてとなる。
両校の今大会のここまでの歩みを振り返る。
智弁和歌山は2回戦から登場。不戦勝でスタートを切ると(対戦相手の宮崎商が新型コロナウイルスの影響で出場を辞退)、3回戦で香川の高松商に5-3、準々決勝で島根の石見智翠館に9-1、28日に行われた準決勝では滋賀の近江に5-1で勝ち、決勝へと駒を進めた。
準決勝ではエースの中西聖輝投手が1失点の快投で完投勝利。打つ方は、チームで1年生から4番を務める徳丸天晴選手を中心とする強力打線が魅力だ。
サードを守る高嶋奨哉選手は智弁和歌山の元監督・高嶋仁さんの孫で、今大会でホームランも放っている。
一方、智弁学園は1回戦で岡山の倉敷商に10-3で勝ち、続く2回戦で強豪・横浜高校に5-0と完封勝ちをおさめて波に乗った。3回戦では山梨の日本航空に7-1で勝つと、準々決勝では高知の明徳義塾に3-2で9回サヨナラ勝ち。
劇的勝利翌日の準決勝では、好投手を擁する京都国際を3-1と振り切った。投げては小畠一心投手が被安打3、1失点に抑えて完投勝利。
打線はプロ注目のスラッガー・前川右京選手が牽引してきた。
今大会、投打ともに総合力で拮抗する両校のぶつかり合いに注目が集まる。
ファンの注目は、やっぱりあの「魔曲」
高校野球ファン待望の兄弟校対決、もう一つの注目は両校の「応援」だ。
過去の対戦では、一塁側と三塁側のスタンドに、それぞれ白い背景にChibenの「C」の赤い文字が浮かび上がるファンおなじみの光景が見られたが、今大会は無観客開催のため、スタンドでの応援は一部の人に限られている。
話題になること必至なのが、ブラスバンドによる応援。
今大会は録音音源での対応になるが、「アフリカン・シンフォニー」などのおなじみの曲で選手を後押しするスタイルは元シアトル・マリナーズのイチローさんも感銘を受けたほどだ。
ファンが期待するのは、得点チャンスの際に演奏される「ジョックロック」。“魔曲”と称されていて、実際にこの曲が鳴り響いた時には幾度となくチームが得点。時に逆転劇も生んできたという特別な曲だ。
29日の決勝では、その曲が一塁側からも三塁側からも、「表」でも「裏」でも球場全体に響く可能性がある。
智弁対決が決まると、Twitterでは「ジョックロック祭りになりそう」「ジョックロックを多く響かせるのはどっちかな」などと早くも話題となった。
NHKとBS朝日、決勝戦どっちで見る?
決勝戦と閉会式のテレビ放送は、NHK総合とBS朝日で見ることができる。それぞれの放送時間は以下の通りだ。
午後1時50分から午後4時50分
実況:冨坂和男アナウンサー、解説:前田正治さん
午後1時55分から午後5時
実況:高野純一アナウンサー(ABC朝日放送)、解説:渡辺元智さん(横浜元監督) 古田敦也さん(熱闘甲子園キャスター)
夏の甲子園の試合中継は、NHKで見る人もいれば、BS朝日で見る人もいて、ファンの間で好みが分かれている。
勝つのは「和歌山」の智弁か、「奈良」の智弁か。試合は午後2時開始予定だ。
Source: ハフィントンポスト
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