アップルは27日、最新システムソフトウェアiOS/iPadOS 14.5の配信を開始しました。
届いていれば通知から、あるいは「設定-一般 – ソフトウェア・アップデート」から確認して手動でアップデートできます。
iOS 14.5が今週配信となることは新Apple TVのニュースリリースの注釈として小さな文字で告知されていましたが、公約(?)が守られたかっこうです。
注目すべき新機能は、まずFace ID対応iPhoneをマスクしたままロック解除できることです。Apple Watch Series 3以降(watchOS 7.4以降のインストール必須)と併用することで、その都度パスコードを入力しなくても迅速かつシームレスにロック解除できるようになります。
「顔認証iPhoneをマスクしたまま即ロック解除」のやり方を解説。watchOS 7.4パブリックベータ配信開始
また純正の忘れ物トラッカーAirTagや、アップルの認証を受けたサードパーティ製品を「探す」アプリに登録して見つけることが正式に可能となりました。これまで「探す」対象はiPhoneやiPad、Macなどに限られていましたが、これがアイテムにも拡張されることに。すでにBelkin、Chipolo、VanMoofといったアップル以外の製品も対応しています。
iPhoneやMacの「探す」アプリでサードパーティ製アイテムを見つけることが可能に
Apple、落とし物トラッカーAirTag発表。3800円で4月30日発売
また、新たな絵文字も導入されました。異人種や同性のペアで表されたカップルの絵文字が加わったほか、ヒゲ付きの絵文字にも新しい性別の選択肢が追加されており、全般的に人種やジェンダーに関する多様性に重点を置いている模様です。
アップル、iOS 14.5に新絵文字を大量追加。異人種・同性カップルやヒゲの女性など多様性重視
そうした絵文字と歩調を合わせ、Siriでは「デフォルト音声」や「性別」という概念がなくなりました。ユーザーはデバイス設定時に、多様な声のオプションから好みの声に近いものを選べるようになっています。アップルは、この更新がダイバーシティとインクリュージョンや顧客を含む人々が暮らす世界を反映するという方針の延長上にあると説明していました。
iOS 14.5のSiri、「デフォルト音声」と「性別」の概念がなくなる
そしてアップル製品が「基本的な人権の1つ」というプライバシーの保護も大幅に強化されています。従来から重視されてきた4つの原則のなかで、特に「次のレベルの取り組み」とされているのがアプリトラッキング透明性です。
これはアプリが他社の所有するアプリやWebサイトをまたいでユーザーの行動を追跡する場合、本人の明示的な許可を義務づけるもの。ユーザーはどのアプリが追跡の許可を求めているかを「設定」内でチェックでき、自らの個人情報を細かく制御が可能となりました。
アップル、4つのプライバシー保護原則やアプリトラッキング透明性を詳細に説明
最後にiPhone 11やiPhone 11 Pro/Pro Max限定となりますが、バッテリー状態の予測が精度を欠いていることを再調整する仕組みも導入されました。
これは一部のiPhone 11系デバイスでは「バッテリー消耗が想定外に速い」「ピークパフォーマンス性能が低下する」といった症状の報告に対応したバグ修正です。iOS 14.5ベータでもテストされており、導入した人たちからバッテリー最大容量が増えたとの声もありました。
iOS 14.5でiPhone 11系の「バッテリー状態」バグ修正へ。ベータ版に設定が
iPhone 11系の「バッテリー状態」表示バグがiOS 14.5ベータで再調整され始めたとの報告
ほか、Podcastサブスクへの対応など複数の新機能やバグ修正も含まれています。
アップル公式のiOS 14.5リリースノートは次の通りです。
Apple WatchでiPhoneをロック解除
マスクを着けたままFace IDで認証するときに、Apple Watch Series 3以降を使用してiPhone X以降のロックを解除する機能
AirTagと“探す”
“探す” Appで、鍵、財布、かばんなどの大切な持ち物の所在場所を、非公開で安全に確認したり探したりできるAirTagに対応
“正確な場所を見つける”機能により、iPhone 11およびiPhone 12モデルに搭載されているU1チップの超広帯域無線(UWB)を使用して、視覚的、聴覚的、および触覚的なフィードバックでAirTagの近くに誘導可能
AirTagでは内蔵スピーカーでサウンドを再生して場所の特定が可能
何億ものデバイスからなる“探す”ネットワークにより、AirTagが近くにない場合でも、AirTagの探索をサポート
“紛失モード”では、ほかの人がAirTagを見つけたときに通知を送信することや、連絡先の電話番号を入力しておくことが可能
絵文字
キスしているカップルの絵文字とカップルとハートの絵文字のすべてのバリエーションで、個別に別々のスキントーンに対応
新しい顔の絵文字、ハートの絵文字、髭を生やした女性の絵文字を追加
Siri
AirPodsまたは互換性のあるBeatsヘッドフォンを装着しているときに、Siriが通話の発信者名を読み上げて着信を通知し、ハンズフリーで応答可能
Siriに頼んで連絡先のリストや“メッセージ”のグループ名に対してのグループFaceTime通話に対応
Siriに頼んで緊急連絡先に発信可能
プライバシー
Appのトラッキングの透明性により、広告やデータブローカーと共有する目的で他社のAppおよびWebサイトを横断してアクティビティがトラッキングされる場合、どのAppに対してトラッキングを許可するかを選択可能
Apple Music
お気に入りの歌詞を“メッセージ”やFacebook、Instagramのストーリーズで共有したり、サブスクリプションの登録者は“メッセージ”のチャット内で歌詞のスニペットを再生することが可能
世界の100を超える各都市で人気のあるミュージックを紹介する都市別ランキング
Podcast
Podcastの番組のページを、より簡単に視聴できるように再設計
エピソードを保存およびダウンロードするオプションにより、自動的にエピソードをライブラリに追加して、素早くアクセスすることが可能
ダウンロードの動作および通知の設定は、番組ごとにカスタマイズ可能
新しい番組を見つけるときに役立つ“検索”のランキングと人気のカテゴリ
5Gの改善
デュアルSIMへの対応により、iPhone 12モデルでモバイルデータ通信の回線を利用する際に5Gでの接続が可能
スマート・データ・モードの改善により、5Gネットワーク向けに利用環境が最適化されることで、iPhone 12モデルでのバッテリー駆動時間を延ばし、データ使用量を削減
iPhone 12モデルでサポートされている通信事業者の5G国際ローミングを利用可能
マップ
Siriに頼むか、または画面下部の経路カードをタップしてから“到着予定を共有”をタップすることで、車での移動に加えて、自転車や徒歩での到着予定時刻を共有可能
リマインダー
タイトル、優先順位、期限、または作成日でリマインダーの並べ替えが可能
リマインダーリストをプリントするオプションを追加
翻訳
再生ボタンを長押しして、翻訳の再生速度を調整可能
ゲーム
XboxシリーズX | SワイヤレスコントローラーまたはSony PS5 DualSense™ワイヤレスコントローラーに対応
CarPlay
新しいSiriまたはキーボードコントロールを搭載したCarPlayを使用して、運転中にAppleマップで到着予定時刻を簡単に共有可能
このリリースには、以下の問題の修正も含まれます:
スレッドの下部にあるメッセージが特定の状況下でキーボードによって隠されてしまう場合がある問題
削除したメッセージが引き続きSpotlight検索に表示される場合がある問題
“メッセージ”の一部のスレッドで、テキストの送信が継続的に失敗する場合がある問題
“メール”で、デバイスを再起動しないと一部のユーザの新着メッセージが読み込まれなかった問題
着信拒否設定と着信IDのセクションが“電話”の設定に表示されない場合がある問題
SafariでiCloudタブが表示されない場合がある問題
iCloudキーチェーンをオフにすることができなくなっていた問題
Siriによって作成されたリマインダーが、意図せずに早朝に設定される可能性がある問題
バッテリーの状態報告システムによって、iPhone 11モデルの最大バッテリー容量とピークパフォーマンス性能を再調整し、一部のユーザにバッテリーの状態が不正確な推定値で報告されていた問題に対処(https://support.apple.com/HT212247)
iPhone 12モデルで、黒い背景のときに輝度を下げると表示されることがある薄暗い光を減らすように最適化
AirPodsの自動切り替えで、オーディオが誤ったデバイスに接続される問題
AirPodsの自動切り替えが通知されなかったり、通知が重複したりすることがある問題
Appleソフトウェア・アップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください:
(この記事は2020年4月27日「iOS/iPadOS 14.5配信開始。ついに「マスクしたままFace IDロック解除」が実現」より転載しました)
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Source: ハフィントンポスト
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