アメリカの著名デジタルアート作家ビープル氏の『エブリデーズ 最初の5000日』がクリスティーズでオークションにかけられ約75億円(6900万ドル)で落札されました。
この、デジタルアート史上最高値で落札を行なった人物が「メタコーバン(MetaKovan)」ことビニェシュ・サンダレサン氏です。
75億円でデジタルアートを買った投資家の素顔
こちらが今回落札された75億円のアート作品。
ブロックチェーン上に持ち主のウォレットアドレスが記入されることで半永久的に所有権が証明できるという仕組みが興味深いものの、アート作品そのものはただの画像データであり、コピーも可能です。
そして、この作品を落札したのがメタコーバン氏。
「僕はインド南部から、裸いっかんでここまで来た男だよ」という彼。貧しい子供時代を過ごし、長い間ノートPCを買うお金すらなかったそうです。
そんな状況の中、なんとかお金を貯めて買ったのがUSBフラッシュドライブ。
夜中に友人が寝た後ノートPCを借りて、自分のファイルをUSBドライブに保存しながらコーディングの勉強をしてきたとのこと。こうしてウェブ制作を学んだ彼は、これまで54のウェブサイトとビジネスを立ち上げてきたものの、そのうち51個は完全に失敗でした。
けれども、2012年ビットコインに出会い彼の人生は変わります。グローバルなアイディアであることと、世界中から情熱をもった人たちが参加していることに感銘を受け、すべての資産をビットコインに変え、ビジネスも仮想通貨に関わるものだけにしました。
その後、Metapurse などの暗号資産・NFTビジネスで巨万の富を得た彼ですが、今でも車や家などの「現実の資産」は所有していないそうです。
インタビューの時に着用していた上着も、世界に40着しかないというNFTアパレルなのだとか。
彼は「世界は偏見に満ちていて、それが僕を苛立たせるんだ。人は人の行いを見るべきであって、見た目や生まれだけで判断するのはおかしい」と語ります。南インドの貧しい境遇から成り上がった彼の言葉だけに、強烈な説得力があります。
この動画はブロックチェーン技術や暗号資産、NFTがもつ非中央集権制という特徴に触れ、これからの世界では「グローバルなアパレルブランドがイタリアではなくヨルダンから生まれ、メガバングがニューヨークではなくベトナムで育つ。メタコーバンのような億万長者はシリコンバレーではなく南インドから生まれるだろう」と締めくくっています。
なお、記事作成時点では日本でもNFTを利用したデジタル資産(アート作品やゲームアイテム、仮想空間の土地)などの売買が可能となっており、大手仮想通貨交換所のコインチェックなどがサービスを提供しています。
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Source: AppBank
75億円でNFTデジタルアートを買った男。日本のメディアが報じないビットコイン億万長者の意外な正体とは?