湿度が高くカビが生えやすい季節になりました。家の中で最もカビが生えやすそうなのがお風呂です。中でもパッキンに生えたカビはなかなか取れません。
除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、お風呂のパッキンのカビが取れないときの対処法やカビを防ぐ方法を教えていただきました。
お風呂のパッキンのカビは、どうして落ちにくいのか?
「それは、パッキン部分にだけ生える特有のカビのせいです。
お風呂には、クラドスポリウム(いわゆるクロカビ)やフォーマというカビが多いと言われています。クラドスポリウムは好湿性で、お風呂に限らずキッチン、洗面所、洗濯機などの水回りに生えます。繁殖力が強く、一度のカビ取りではなかなか除去できません。
フォーマはパッキンに使われるシリコンの内部にまで入り込むうえ、塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムにも耐えることができます。
一見、カビが取れたように見えても、パッキンにカビが再発するようであれば、内部に残った胞子が成長したのかもしれません」(穂苅さん)
しつこいお風呂のパッキンのカビの落とす方法
パッキン中心にお風呂のカビ取りを行うには、どうすればいいのでしょうか。
「ご家庭にあるカビ取り剤とキッチンペーパー、食品用ラップ、古歯ブラシを用意してください。始める前にゴム手袋、マスク、ゴーグルなどを身に着けて体を保護します。
最初にパッキン部分の余分な汚れを取り、カビ部分にカビ取り剤をスプレーします。スプレーしたら上からキッチンペーパーで押さえ、さらに上からカビ取剤をスプレーしてください。2度目にスプレーしたら、カビ取り剤が乾かないように上からラップをかけ、10~15分間ほど放置します。
時間が経ったらカビの状態を確認し、カビが残っていれば古歯ブラシで擦(こす)ります。カビがあまり取れていないようであれば、再度カビ取り剤をかけてさらに10分程度放置するといいでしょう。最後に水でよく洗い流します」(穂苅さん)
この方法でもカビが取れないときは、どうしたらいいでしょうか。
「カビ取り剤をジェルタイプのものに変えてみてください。ジェルタイプは垂れ落ちにくく、パッキンに密着してくれます。製品によっては1時間以上放置しても大丈夫なタイプもあるので、よりしっかりカビを落とせます」(穂苅さん)
お風呂のパッキンをカビさせないためには?
カビが生えてから対処するのは大変です。そもそも、お風呂場にカビが生えないようにするには、どうしたらいいでしょうか。
(1)入浴後はお風呂場の水気を拭き取る
「入浴後は天井、床、壁の水気を拭き取ることでお風呂場の乾燥を早め、カビを防ぐことができます。使用済みのバスタオルを使って、ざっとお風呂全体を拭くといいでしょう」(穂苅さん)
(2)入浴後すぐに換気する
換気扇だけでは弱い場合は、扇風機やサーキュレーターを使って換気し、湿度を下げましょう。
「窓や扉を全開にすれば早く換気できそうですが、開いた状態で換気すると脱衣所や洗面所のカビの原因になります。外の空気を取り込むために数センチだけ扉を開けるのが、外に湿気を移動させることなくお風呂場だけを喚起するコツです」(穂苅さん)
(3)お風呂場が乾いたら扉は開けておく
「お風呂場が乾いたら、扉は開いた状態にして湿気が溜まらないようにします。日中、お風呂を使わないときも、扉は開けたままがいいでしょう」(穂苅さん)
(4)カビの栄養源を残さないようにする
「水垢(みずあか)や人の皮脂や垢はカビの栄養源です。お風呂の掃除はこまめに行い、カビの栄養源を残さないようにしましょう」(穂苅さん)
(5)防カビグッズを活用する
お風呂用の防カビグッズも市販されています。
「防カビ効果のある煙や霧を出す置き型タイプのものや、インテリアにもなる吊り下げ型タイプのものがあるので、お風呂にカビが生えやすいと感じている方にはおすすめです」(穂苅さん)
これから続く梅雨時のカビ対策はたいせつです。手強いパッキンのカビ対策ができるようになると、お風呂の掃除も楽になります。じめじめした季節は、日々のさわやかな入浴で乗り切りましょう。
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