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pecoさんが振り返る、新しい家族のかたちを模索した日々「奇跡のような出会いだった」【インタビュー】

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pecoさんpecoさん

2016年に結婚、2018年には子どもが誕生したpecoさんとryuchellさん。

理想的な父であり夫だからこそ、ryuchellさんから「夫という役割がもう苦しい」と告白されたとき、pecoさんはどんな気持ちで受け止めたのか。

初エッセイ『My Life』(祥伝社)を読んで感じるのは、人生の大事な場面でpecoさんがその都度、発揮してきた「覚悟」の強さだ。

ryuchellさんとの出会い、結婚と子どもの誕生、「新しい家族のかたち」を模索した日々、そして唐突に訪れた永遠の別れ。

pecoさんはいまどんな気持ちで日々を過ごしているのか。

ryuchellさんとの出会いから「新しい家族のかたち」にたどり着くまでの心情について聞いた。  

奇跡のような出会いだった

「エッセイを書くことで自分の人生を振り返った今、ryuchellと過ごした日々は私にとって本当に奇跡のような出会いだったな、とあらためて思えてきました」

出会いは2014年、原宿のアパレルショップ。互いに一目惚れだった。原宿系読者モデルとして人気だったpecoさんのテレビ出演をきっかけに、パートナーであるryuchellさんにも注目が集まり、「ぺこ&りゅうちぇる」として芸能の仕事が増えていった。 

共に21歳で結婚。世間からは「早すぎる」とも言われたが、決して勢いや若気の至りではなく、揺るぎない覚悟の上での結婚だったとpecoさんは振り返る。

「結婚って、今の時代はしなくてもいいものですよね。結婚が幸せのすべてではないし、結婚しなくても幸せな人はもちろんたくさんいる。それでも、結婚して家族になることを選ぶのであれば、私はすごく大きな覚悟でその約束をしたかった。

これから先の人生で何があっても、同じ方向を見て一緒に前に進んでいく。子どもができたら、その子を大切に守って育てていく。紙一枚の契約ではなくて、そうした覚悟を決めて選び取るもの。

私にとって結婚は、それくらいの覚悟を持ってした決断です。同世代と比べるとちょっと古い結婚観かもしれませんが」

子育てが少し落ち着いた矢先のできごと

ここ数年のpecoさんのSNSを見ている人からすれば信じられないかもしれないが、ryuchellさんと出会う前は「そもそも子どもが苦手だった」という。だが、ryuchellさんとの関係を大切にしていく中で、「この人との子どもなら絶対に愛しいだろうな」と思えるようになった。

2018年には子どもが誕生。家族が増えて、愛も増えた。pecoさんは仕事をいったん離れて育児に専念し、ryuchellさんはタレント業を続ける形で家族は役割を分担した。

子どもが3歳になり、子育てが少し落ち着いてくると「そろそろ2人目も考えようか?」と夫婦で話し合うことも増えてきた。だが、その頃からryuchellさんの様子がどうもおかしいとpecoさんは感じ始める。

<家の中の空気は、どんどん、どんどん悪くなっていきました。

18歳からずっといっしょにいるのですから、いい加減、「何か隠している」と気づきます。でもそれが何なのか、まったくわからなかった。

それこそ、今まで一瞬たりとも疑ったことはなかったけれど、「もしかして浮気してる?」とも。でもそれもありえない気がして> 『My Life』P156より引用

そんな不安を抱えたまま迎えた2022年のお正月休み。ryuchellさんはとうとうpecoさんに告白する。

本当の自分を隠して生きてきたこと。

pecoさんに出会い、初めて女の子を好きになったこと。

一緒に過ごしてきた8年間は絶対に嘘じゃない。でも、「夫」であること自体がしんどくて、もう耐えられないことを。 

「夫の役割」がつらいと告白されて

ryuchellさんの告白を受けて、pecoさんはどう感じたのだろう。

「めちゃくちゃびっくりしました。でも、それは『ryuchellが男の人を好きだったこと』に対してではありません。そこにかんしてはむしろ初対面で『そうなのかな?』と感じていましたし、嫌悪感やマイナスな気持ちはまったくなかった。『あ、そうやったんや』とすとんと理解できました。

それよりも、『これまで女の子を好きになったことがなかったのに、初めて、唯一好きになってくれたのが私なん? え、ほんまありがとう』みたいな気持ちになりましたね。やっぱり奇跡みたいな出会いだったんだ、とそのときもあらためて思えました」

その後に湧き上がってきたのは、意外にも「ryuchellさんへの感謝」だったとpecoさんは語る。

「ryuchellがたくさんの勇気を振り絞って、その話をしてくれたことが伝わってきたんです。大好きなryuchellが、これだけ勇気を振り絞って本当のことを言ってくれた。その勇気に、心からの感謝が湧いてきました。そしてryuchellがそう願うのであれば、私はもう『夫』という役割を何一つとして求めない。

そこまではすっと受け入れられたのですが、『じゃあここから先、家族のかたちをどうしていきたい?』と話し合う段階になってからは、ryuchellと私の意見がぶつかってしまい、何カ月にもわたる話し合いが続きました」

告白に対する驚き、感謝、そして「新しい家族のかたち」を探り当てるまでの葛藤については、『My Life』で詳細に綴られている。

pecoさんが徹頭徹尾、心を砕いたのは、まだ幼い子どもの人生をどう守るかだった。

「夫婦の関係性が変わっても、私たちが息子の親であることは絶対に変わらないし、かけがえのない事実。もしも私たちのあいだに子どもが生まれていなかったら、夫と妻じゃなくなるけど、変わらずに大好きだし仲良くしていこうね、と多分なれたと思うんです。

でも、子どもがいるのであれば、親になった私が一番に守るべきは子どもの人生です。

ちょっと言い方が悪いかもしれないけど、子どもをつくるって大人側の思いの結果ですよね。それでひとつの命が誕生するのだから、親になった人間として、自分のつらさや苦しさよりも子どもの気持ちを優先させたかった」

当時、子どもはまだ3歳。ママはもちろん、ダダ(=パパ)のことも大好きな子どもの幸せを守るために、どんなかたちがベストなのか。

「『夫』として家族を背負う役割がつらいのであれば、私も仕事を再開して一緒に責任を背負ったらryuchellは楽になれる?それとも思い切って仕事をやめて、家族みんなで移住する? 

そんな風に考えられる限りの提案をして、ふたりで真剣に何カ月も話し合いました。  

私と家族になろうと決めてくれたこと、夫の役割が重いと打ち明けてくれたこと。どちらもryuchellなりの腹をくくった勇気だと思っています。だからこそ、その勇気と覚悟に、私もきちんと覚悟をもって向き合おうと決めたんです」

最終的には、「夫婦」をやめても家族3人で変わらず一緒に暮らす道を選んだpecoさんとryuchellさん。  

続く第2回インタビューでは、その後のryuchellさんとの突然の別れをどう受け止めたのかについて聞いた。 

(取材・文:阿部花恵 編集:毛谷村真木/ハフポスト日本版)

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pecoさんが振り返る、新しい家族のかたちを模索した日々「奇跡のような出会いだった」【インタビュー】

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