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「相談できる相手がいない」「孤独を感じる」ーー。
LGBTQや、そうかもしれないと感じている子どもや若者の間で、「孤立」が問題になっている。
少しでも「若者当事者の孤立を防止したい」と、メタバース空間での居場所作りの取り組みが始まった。
いったいどんな場所なのか。一般社団法人「にじーず」に話を聞いた。
1月25日から本格的に開始するのは、VRアプリ「cluster」を使った居場所「バーチャルにじーず」。
メタバース空間につくられた居場所に、どこからでも集える。
バーチャルにじーずの中では、アバターになって他の参加者とダーツやオセロ、花火を楽しんだり、チャットで会話したりできる。
にじーず代表の遠藤まめたさんはハフポストの取材に「相談というとハードルが高くなるけど、その一歩手前の段階として、楽しく参加してほしい」と話す。
対象は、LGBTQやそうかもしれない13歳から23歳。アプリをダウンロードすると、スマホやPCから最大12人まで参加できる。
「孤立」防ぐため、リアル、そしてバーチャルの居場所を
NPO法人「ReBit」による「LGBTQ子ども・若者調査2022」では、「孤独感がしばしばある・常にある」と答えた10代のLGBTQは29.4%に上った。
悩みを相談できない状況も顕著で、91.6%がセクシュアリティについて保護者に相談できないとし、相談相手がいない当事者は自殺念慮や自殺未遂、自傷行為などの割合も高くなっていた。
にじーずはどうにか孤立を防ぎたいと、全国約10都市で、週末などに対面で集まれる機会を作ってきた。居場所では、当事者の若者たちが繋がれ、悩みがある時には相談もできる。
2016年から延べ3500人が参加し、開催都市も都会から地方への拡大に努めてきた。
しかし、公共交通機関が充実していない地方などでは、その都道府県の都市部で開催すると、遠方で住む子どもはなかなか参加が難しいなどの課題も。
そのような問題も解消するのが、メタバース空間での居場所だ。
「地方在住者のユースにとって、アクセスはずっと課題でした。メタバースだとどこからでも参加でき、ゲームと同じ感覚で楽しむことができます」(遠藤さん)
「仮想空間の中だけでも女性のアバターで」「人と会っているような温かみ」
1月からの本格始動に向け、これまで4回のトライアルを実施してきた。
トライアルにはこれまでにじーずのリアル開催に足を運んできた地方在住者も参加。
アバターで参加できることから、匿名性とプライバシーを保ちつつ、自分が好きな姿で交流できる。
トライアルの参加者からは、「自由な姿で参加できるのが楽しかった」「仮想空間の中だけでも女性のアバターでいられる」との声が寄せられた。
バーチャル空間でありながらも、「人と会っているような温かみがあってとても楽しかった」と話す若者もいたという。
遠藤さんは、「実際の見た目や声が関係なく、アバターの姿でいられるからこそ、安心した場所に。普段のにじーずのリアル開催では口数が多くないユースも、チャットではよく話したり、交流したりしていました」と話した。
バーチャルにじーずは、メタバースを活用した子どもの孤立支援に関心があった、岡山大学学術研究院医師薬学域の長谷井嬢准教授と協力して設計。安全な空間設計などを話し合い、協働で作成した。
初回の参加者は、にじーずのスタッフがオンライン通話で年齢確認を行うなどして、安全面も配慮する。
居場所作りには、公益財団法人「橋本財団」の2023年度福祉助成と、こども家庭庁の「令和5年度NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業国庫補助」の支援を受けた。
バーチャルにじーずの初回実施は、1月25日(木)の夜8〜9時半。参加は、ウェブサイトから申し込みができる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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