「空飛ぶクルマ」と聞くと、映画やドラマなどで描かれる空想の世界を想像する人も多いのではないだろうか。
しかし意外にも、その存在が暮らしの一部となる日はそう遠くない可能性が見えてきているようだ。
ANAホールディングス、Joby Aviation、および野村不動産は、日本における電動エアモビリティ「eVTOL(Electric Vertical Takeoff and Landing)」の離着陸場(以下、バーティポート)開発に向けた、共同検討に関する覚書の締結を発表した。
「空飛ぶクルマ」が新たな空の移動手段に?
「空飛ぶクルマ」とも称される電動エアモビリティ「eVTOL」は、電動モーターで複数の回転翼を動かし、垂直離着陸できる小型航空機。渋滞の緩和や温暖化への対策など、より豊かで持続可能な社会の実現に貢献する新たなモビリティとして、世界各国で開発が進められている。
アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くJobyが開発を進めるeVTOLは、電動で低騒音かつ排気ガスがゼロであると同時に、最高速度は時速320km、最大航行距離約は160㎞を超えるモビリティだ。5人乗り仕様で、都市圏でも便利で快適な移動を実現するために設計されているという。
日本の都市部におけるバーティポート開発
同覚書は、日本の都市部におけるバーティポート開発に向けた事業的・技術的検討、 社会受容性を得るための取り組み、そして戦略的パートナーシップ構築に関する内容となっている。
ANAホールディングスとJobyは、2022年2月にパートナーシップを締結し、電動エアモビリティの運航サービス実現に向けた事業検討を進めるとともに、首都圏および関西圏を中心に離着陸場設置に向けた各種調査や検討にも取り組んできた。今後も、地上インフラの開発や整備を通じて、新しい空の移動手段の実現を目指すという。
また、野村不動産も次世代モビリティの早期の社会実装に貢献してきた企業のひとつだ。東京都の「東京ベイeSGプロジェクト 令和5年度先行プロジェクト」(東京都のベイエリアを舞台に「自然」と「便利」が融合する持続可能な街づくりを構想するプロジェクト)では、VTOL用浮体式ポートをはじめとした、陸海空の新型モビリティの実現に向けた実証事業を推進するなど、新たなライフスタイルや街づくりを目指した取り組みを進めている。
未来的な響きのある「空飛ぶクルマ」だが、そう遠くない未来、空をクルマが飛ぶ、より快適で持続可能な社会が実現するのかもしれない。
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「空飛ぶ車クルマ」実現に向けた大きな一歩。大手3社が離着陸場を共同検討へ