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更年期症状を自覚する男女の多くが、その症状によって仕事や家事に支障があると感じています。
漢方メーカー最大手のツムラが実施した2023年度「男女の更年期に関する実態調査」の結果からは、働く更年期女性が、仕事と家事の双方に困難さを抱えている状況が浮き彫りになりました。
6割以上が日常生活に「支障あり」
更年期の症状を自覚している男女各100人に更年期症状の日常生活・社会生活への影響を聞いたところ、男性の66.0%、女性の63.0%が「日常生活・社会生活に支障をきたす」と回答しました。
そのうち「やや支障をきたす」と回答したのは、男性53.0%、女性54.0%。男女ともに半数以上が「日常生活や社会生活に大きな影響が出ているとまでは言えないものの、なんらかの支障を感じている」状態であることがうかがえます。
支障を感じるのは「仕事」「家事」
さらに、「更年期症状により支障を感じる状況」について聞いたところ、男性は「仕事」(65.0%)、「家事」(31.0%)の順、女性は「家事」(63.0%)、「仕事」(48.0%)の順となりました。
しかし、対象を有職者に絞ると、女性は「仕事」(69.8%)、「家事」(60.3%)の順で支障を感じているという結果に。「仕事」と答えた女性の割合が男性とほぼ変わらない一方、「家事」と答えた女性の割合は男性の倍以上となります。
更年期女性に家事が集中している家庭内の状況や、働く更年期女性が仕事や家事の双方に支障を感じているという課題が見えてきます。
また、更年期症状で支障を感じるときどんなサポートを望むかを聞くと、男性は「具体的な対処法を知りたい」(46.0%)、「体調が悪い時は休む時間・日が欲しい」(44.0%)、「つらいことを理解してほしい」(43.0%)の順で多くなりました。
一方、女性は「体調が悪い時は休む時間・日が欲しい」(64.0%)、「つらいことを理解してほしい」(60.0%)、「具体的な対処法を知りたい」(53.0%)の順となりました。
男性と比較して、女性の方が周囲のサポートや理解を求める傾向にあります。また、体調が悪い中でも忙しさに追われ、休息をとる時間がない女性が多いこともうかがえます。
具体的な困りごとは?
ここからは、更年期症状を感じている男女が挙げた具体的な困りごとの一部を紹介します。
■男性
・やりたいと思っていることができない。趣味が億劫になり気力が出ない。いつも以上に疲れを感じるようになった(48歳)
・仕事から帰って家族の夕飯を作るまでは頑張れるが、その後スイッチが切れたように何もできなくなってしまう(50歳)
・日常的な動作の過程でささいな失敗が増え、そのことで激高する(50歳)
・何をしていてもパニックになる(55歳)
■女性
・家事に対してやる気が起きない(49歳)
・頻繁に頭痛が起こる。「これくらいのことで苛立つなんて」と気づいてはいるものの、言葉や態度がキツくなり止められない(53歳)
・仕事で物忘れがある。何事にもやる気が出ない。朝、突然何もしたくなくなるため、約束をするのが億劫になる(55歳)
男女ともに、やる気のなさや疲れ、自分自身や周囲に対する苛立ちに悩む人は少なくないようです。ミスや物忘れが増えたり、頭痛などの身体症状を感じたりする人もいます。
更年期症状を自覚する人の多くが、日常生活や社会生活になんらかの支障があると感じています。家族や同僚といった周囲の人には、まずはそうした人々が抱える困りごとについて知ったうえで、どんなサポートが必要か聞き、手を差し伸べることが求められているのではないでしょうか。
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働く更年期世代、女性に家事が押し付けられている実態が浮き彫りに