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「更年期の話は恥ずかしい。そんな偏見は捨てて」小島慶子さんらが語る、お互いの体を尊重する大切さ

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「女性が更年期の話をしたがらないのは、ネガティブなイメージとともに取り上げられるから。体の変化はどんな人にもある普通のこと。お互いの体について理解し、助け合う文化が育っていけば、もっと更年期について話しやすくなるはず」  

そう話すのは、産婦人科医師で、女性の生涯健康をサポートするNPO「女性医療ネットワーク」の設立者でもある対馬ルリ子さん。

厚生労働省が定める「女性の健康週間」(3月1〜8日)に公開された「大人の相談室~女性の更年期障害って?~」の動画。その中で、対馬さんに加え、元プロマラソンランナーで現在はスポーツを通じてさまざまな社会活動を行う有森裕子さん、エッセイストでタレントの小島慶子さんが、更年期の体験や更年期を通じて得た学びについて、語り合いました。  

「更年期症状」と「更年期障害」の違い

更年期は、月経のある女性であれば誰もが通る時期。閉経を迎える前後5年、個人差はあるものの45~55歳くらいの間に経験します。 

閉経に向かう過程で女性ホルモンが減少することで、自律神経や精神状態が乱れ、さまざまな症状があらわれます。主な症状は、急に体が熱くなって汗が止まらなくなる「ホットフラッシュ」や動悸など。不安、焦燥、イライラ、落ち込みなど感情面の症状を感じる人もいます。

更年期に出るこれらの症状は、まとめて「更年期症状」と呼ばれます。一方、「更年期障害」は、更年期症状の程度が重く、生活や仕事に支障が出ている状態です。 

有森さんが更年期を迎えたときは、ホットフラッシュやメンタル面の変化があらわれました。「当初は更年期症状と気付かず、3年ほど苦しんだ」といいます。

小島さんは、自身が更年期を迎える前には「生活や仕事に支障が出るのが怖かった。『閉経=女性として終わり』という偏見にも染まっていた」と語り、実際に更年期症状が始まると、当初はやり過ごせていたものの、だんだん我慢できなくなっていったといいます。 

「放置していたら生活するうえでの障害(=更年期障害)になっていたかもしれない」と振り返りますが、治療を受けて調子を取り戻すことができました。現在は症状と折り合いをつけて「更年期症状のある私」として日常を送れているそうです。 

医師の対馬さんは「『あまりにひどくなったら大きな病院へ行こう』ではなく、普段から相談しやすいかかりつけ医をもってほしい」と強調します。「更年期症状と似た別の病気の可能性もあるので、かかりつけ医に正しく判断してもらうことが大切」と語りました。 

男女問わず更年期の知識が不足している

対馬さんによると 、日本の女性は学校でも社会でも更年期について学ぶ機会が少ないため、更年期に関する知識が不足しているそう。海外では、多くの人が更年期について学んでいるのはもちろん、産婦人科のかかりつけ医を10代のうちに決めることを制度化している国もあるといいます。

男性や更年期前の女性といった周囲の人も、更年期について十分理解できているとは言えません。「症状について身近な人に話すことはあったか」という質問に対し、有森さんは「そもそも話すという発想がなく、説明の仕方もわからなかった」と答え、有森さんの女性マネージャーも、有森さんが更年期症状で苦しんでいるとわからず「自分のせいでイライラしているのでは?」と思っていたそうです。 

小島さんの男性マネージャーも、更年期だとは言われるまで気がつかなかったとのこと。症状について知ってからは、小島さんの体調を気遣えるようになったといいます。

「更年期の話が大切なことだとわかってくれる仲間と一緒に働けてありがたい」と笑顔を見せる小島さん。「女性が自分の体について語るときに、『下ネタ、セクハラと思われないか』『バカにされたらどうしよう』と不安に感じていることを男性も知ってほしい」と話しました。

更年期について語れる社会に

更年期について「知らないことで起こっている問題も多い。まずは自分の体について知ろうとすることが大切」と有森さん。

小島さんは「メディアの影響もあり、女性の体や閉経、更年期の話は下品で恥ずかしい話とされてきた。そうした偏見を捨てて、お互いの体にリスペクトを持てたらいい」とメッセージを送りました。

対馬さんは「女性が更年期の話をしたがらないのは、ネガティブなイメージとともに取り上げられるから」と指摘。「体の変化はどんな人にもある普通のこと。お互いの体について理解し、助け合う文化が育っていけば、もっと更年期について話しやすくなるはず」と、それぞれが互いの体を尊重することの大切さを改めて強調しました。     

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