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内閣府男女共同参画局は4月19日、性暴力被害予防の啓発ポスターの使用を中止し、できる限り回収を行うと発表した。ポスター内のイラストが、人気イラストレーターの絵のタッチに類似しているとの指摘があり、制作した会社がイラストレーターの作品を参考にしていたことが判明したためだという。
内閣府男女共同参画局の担当者は同日、「ポスター回収の理由はイラストの件だけで、『同意のない性的な行為は性暴力』というメッセージ自体に問題はありません」とハフポスト日本版の取材に答えた。
■どんなポスターだった?
政府は2020年から、入学・進学の時期である4月を「若年層の性暴力被害予防月間」と定めている。これを受けて「あなたがYESでも、わたしがNOなら性暴力。」というキャッチコピーのポスターを作成して、関係機関に配布していた。「同意のない性的な行為は性暴力」という認識を周知させるのが狙いだった。
イラストには、見つめ合う男女のイラストが上下に並んでおり、「何も言ってこないから喜んでると思った」という男性側の声と、「怖くて何も言えなかった」という女性側の声が並んでいる。しかし、このイラストに関してSNS上では、人気イラストレーターのたなかみさきさんの絵のタッチによく似ているという指摘が上がっていた。
■「今後も引き続き、啓発活動を続けていきます」と内閣府
内閣府男女共同参画局の担当者は、ハフポスト日本版の取材に対して「イラストが類似しているという複数の指摘が外部からあって調査したところ、ポスターの請負先である凸版印刷の制作過程で、たなかみさきさんの作品を参考としていたことが判明した」とポスターの回収理由について話した。たなかさんとは制作過程で連絡を取ってはいなかった。たなかさんの絵柄を学習したAIがイラストを作成したのかという質問に対しては、「そういう情報は入っていない」との回答だった。
また今回のポスターに関しては、当事者間の「同意」の捉え方の差を描いた内容が問題だとする訴えもあり、SNS上では「メッセージが問題視されたことを受けてポスターを回収するのでは?」と推測する声も上がっていた。
しかし、内閣府男女共同参画局の担当者は「ポスター回収の理由はイラストの件だけで、『同意のない性的な行為は性暴力』というメッセージ自体に問題はありません。2020年のポスターでも訴えていた内容で、今後も引き続き、啓発活動を続けていきます」と話している。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「あなたがYESでも、わたしがNOなら性暴力。」のメッセージ自体は「問題なかった」と内閣府。啓発ポスター回収の原因はイラスト