3月9日から1次ラウンドが始まる野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手が内定している史上最強の布陣。そんな侍ジャパンを率いる栗山英樹監督は、4番打者に村上宗隆選手を考えていると言われています。
目次
- 1. 村上宗隆選手も侍ジャパン入り
- 2. 「肥後のベーブルース」と呼ばれた学生時代
- 3. 外れ1位でヤクルトスワローズに入団
- 4. 史上最年少で三冠王を獲得
- 5. 盗塁を狙えるスラッガー
- 6. 抜群の調整力と修正力でホームランを量産
- 7. 鈴木誠也選手は3番向き
- 8. 大谷翔平選手は1番が適任
- 9. 侍ジャパンは村神様を4番に置いて完成する
村上宗隆選手も侍ジャパン入り
2023年1月6日、野球世界一を決めるWBCの日本代表「侍ジャパン」の一部メンバー12人が先行発表されました。
米国大リーグで活躍する大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンジェルス)やダルビッシュ有選手(サンディエゴ・パドレス)、鈴木誠也選手(シカゴ・カブス)などビッグネームの中に史上最年少で打率・ホームラン・打点の三冠王を獲得した村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)も名を連ねたのです。
「肥後のベーブルース」と呼ばれた学生時代
村上選手は小学校入学前にお兄さんに影響されて野球を開始。クラブチームに加入するとメキメキ上達し、中学生の時には九州選抜チームに選ばれて台湾に遠征するなど頭角を現します。
高校では野球の名門・九州学院高等学校に入学。1年生ながらレギュラーに定着し、4番バッターにも起用されます。さらに守備も1塁手から要のキャッチャーに変更。高校通算52本のホームランを記録し、「肥後のベーブルース」と呼ばれて高校球界屈指のスラッガーとして名を馳せます。
外れ1位でヤクルトスワローズに入団
一見、順風満帆な高校時代を過ごしてきたかに見えますが、同期には高校通算111本のホームランを放った清宮幸太郎選手(北海道日本ハムファイターズ)がいました。
2017年の新人選手選択会議(ドラフト会議)では、清宮選手は7球団の1位指名を獲得。世の中の注目は清宮選手に集まっている中、村上選手はいわゆる外れ1位という形でヤクルトスワローズに入団します。
史上最年少で三冠王を獲得
清宮選手の代わりという不名誉な枕詞も、入団1年目で返上します。ヤクルトの高卒ルーキーとしては、2011年の山田哲人選手以来の月間最優秀選手(MVP)を受賞。フレッシュオールスターに出場し9月には1軍に昇格します。
その後の進化のスピードは目覚ましく、2021年には待望のホームラン王を獲得。昨年2022年には史上最年少で打率・ホームラン・打点の三冠王を獲得したのでした。しかもホームラン数の56本は、王貞治さんの55本を58年ぶりに抜く日本人登録選手のシーズン最多記録となったのです。
盗塁を狙えるスラッガー
村上選手はバッティングが素晴らしいだけでなく、俊足で盗塁も狙える理想的な選手です。2019年に5回試みて4回失敗していましたが、2022年の三冠王獲得の年では12回試みて5回成功しています。たとえピッチャーが敬遠等で対戦を回避しても、盗塁してチャンスを広げられるのです。
また、村上選手が走れるとなるとピッチャーは次のバッターに集中できず失投する可能性が高まります。ミスから加点されるとチームのムードを悪くするので、WBCのような短期決戦では絶対に避けたいところです。村上選手はバッターボックスにいる時だけでなく、塁上でも対戦相手にプレッシャーをかけられます。
1点でも2点でも先制して試合の主導権を握りたい侍ジャパンにとって、村上選手の存在が大きなアドバンテージになることは間違いありません。
抜群の調整力と修正力でホームランを量産
村上選手の最大の武器は、試合中でも細かい調整や修正ができることと言われています。昨シーズン8月23日、チームを逆転勝利に導く45号ホームランをスタンド入り。この時村上選手は見逃したらボールだったと発言。しかし初球差し込まれて空振りしたこともあって、自分なりに修正して2球目の153キロのストレートをジャストミート。納得のいった一打だったとメディアに答えています。
また、プロ野球選手はキャンプ中に体に慣れさせ染み込ませた感覚を維持するため、シーズン中に道具の仕様を変更することはあまりありません。しかし村上選手はシーズン中であっても必要と感じればバットを変えることを躊躇せず実行。そして着実にフィットさせるのです。
村上選手の調整力は、それを着実に順応させる適応力とセットになっていることが分かります。たとえ実績十分な選手でも短期決戦では試合に馴染めるかどうか分からない中、村上選手は侍ジャパンにとって貴重な存在です。
鈴木誠也選手は3番向き
今回の侍ジャパンでは村上選手の他にもスラッガーはいます。例えばシカゴ・カブスの鈴木誠也選手。広島東洋カープ時代に、王貞治さんや落合博満さんに次ぐ3人目の6年連続打率3割とホームラン25本を記録するなど実績も十分。そして選球眼の良さも特筆すべき点で、三振よりも四球が多い選手は米国でもそう多くいません。走攻守の他にこの点が注目されて大リーグ入りしました。また、2019年のWBSCプレミア12や東京オリンピックでは4番を務め、「侍ジャパン不動の4番」との呼び声が高いです。
ところで、野球は草創期から最強打者は3番に置くべきか、4番に置くべきか議論が続いています。つまり3つの塁が全て埋まった状態で、4番の一振りで最高4点を取るべきか。あるいは3番によって速攻で1点をもぎ取るべきか、です。
短い期間で雌雄を決するWBCでは、先制点を取って試合の主導権を握りたい。3番に鈴木選手を置くことで速攻が可能となり、試合を有利に進められます。
大谷翔平選手は1番が適任
投打で二刀流の大谷翔平選手もメンバーにいます。基本的に打者として毎回レギュラー出場し、いざという時にマウンドに登る。栗山監督はこのような起用を考えているではないでしょうか。
また、大谷選手の魅力は投打の他に走力もあります。実際にロサンゼルス・エンジェルスでも1番で出場して実績も十分。大谷選手の持ち味を存分に発揮できる打順は、1番が以外ないと言えます。
侍ジャパンは村神様を4番に置いて完成する
村上選手が4番として理想な理由として、打撃の時の雰囲気が素晴らしいからと考える人がいます。例えば漫画等でも描かれる4番の姿は、鈴木選手や大谷選手のようなスマートな選手ではなく、村上選手のようにどっしりと落ち着いた雰囲気を醸し出すアスリートです。
能力や実績に加えて修正力や適応力と醸し出す雰囲気、そして鈴木選手や大谷選手らを生かす意味でも侍ジャパンの4番は村神様こと村上宗隆選手こそが適任ではないでしょうか。
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【WBC】侍ジャパンの4番は村上宗隆選手でいいのか?! 考察してみた!