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アメリカを訪れていたウクライナのゼレンスキー大統領は12月21日夜(現地時間)、連邦議会で演説し、支援への感謝を表明すると同時に、継続的な援助が「何百万人もを救うことができる」と訴えた。
民主党と共和党の議員に大きな拍手で迎えられたゼレンスキー大統領。「ウクライナは生存し、闘っている」と述べ、「ロシアの残虐さはコントロールを失っている」と勝利への自信をのぞかせた。
その上で、ウクライナとアメリカはこの戦いの同盟国であり、来年が戦争の「ターニングポイント」となるだろう、と強調した。
「ウクライナの勇気とアメリカの決意によって、私たちの共通の自由の未来を、自らの価値観のために戦う人たちの自由を保証しなければなりません」
さらに、ゼレンスキー大統領はロシアとの戦争を、第2次世界大戦中の「バルジの戦い」になぞらえた。これはアメリカを主体とする連合軍と、ナチス政権のドイツ軍の間で起きた激しい戦いのことだ。
「1944年のクリスマスにヒトラーの軍隊を撃退した勇敢なアメリカ兵のように、今年のクリスマスも勇敢なウクライナ兵がプーチンの軍隊に同じことをしています」「ウクライナは戦線を維持しており、決して降伏することはありません」と力強く語った。
共和党にはウクライナ支援に反対する議員も
ゼレンスキー氏の外国訪問は、 ロシア軍が2月24日にウクライナに侵攻して以来初めてとなる。
議会演説前にはホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と首脳会談をした。バイデン大統領は、ウクライナにミサイル「ペトリオット」を提供すると発表した。
また、民主党と共和党は20日、ウクライナへの450億ドル(約6兆円)の支援を盛り込んだ予算案で合意した。
しかし、共和党の中には、ウクライナ支援に強硬に反対する議員もいる。その一人、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員は、ゼレンスキー大統領の訪問を「影の大統領」「ばかげている」と非難。「アメリカを優先すべきだ」と主張した。
また、ローレン・ボーバート議員とマット・ゲイツ議員は、ゼレンスキー大統領起立で迎えたものの、拍手はしなかった。
一方、上院で少数党院内総務を務めるミッチ・マコーネル議員や、共和党の元議会補佐官ブラッドリー・ボウマン氏など、ウクライナへの継続的な支援を支持する保守派もいる。
ボウマン氏は「キーウに対する支援は慈善事業ではない」「我々はウクライナの願いを聞いているのではない。共通の利益と原則を守るために戦おうとするパートナーがいるのだ」とツイートしている。
ゼレンスキー大統領は演説で、民主と共和、両党への感謝を表明した上で、共和党が脅威と捉えているイランがロシアを支援している点や、アメリカ軍がロシアとの戦いに関与していない点を強調した。
「アメリカ兵に、私たちの土地で戦うよう求めたことはありません。 ウクライナの兵士は、アメリカの戦車や飛行機を自ら完璧に操作できます」
「バイデン大統領と両党に感謝します……かけがえのない支援、そして今年ウクライナを支援してくれた都市や市民の皆さんに感謝します」
それでも、11月の中間選挙で共和党が下院の過半数の議席を獲得したため、2023年以降は、連邦議会でウクライナへ支援を可決するのは今より困難になると見られている。
ポリティコのオリヴィア・ビーバー記者によると、共和党下院議員連盟「フリーダムコーカス」のラルフ・ノーマン議員はゼレンスキー大統領の演説への出席を拒否し、 「私はこれ以上のウクライナへの支援に反対する。彼の言葉で私の考えが変わることはない」と語った。
一方、ゼレンスキー大統領は前線で戦う兵士らのサインが入ったウクライナの旗をペロシ下院議に手渡し、ウクライナとアメリカは一致団結していると強調した。
「この戦いを凍結したり延期したりすることはできません。 他に何か大きな保護があると期待して、戦争を無視することはできません」
「世界はあまりにもつながり、依存しあっています、何かを傍観しながら、安心することはできないのです」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。
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ゼレンスキー大統領、ロシアをナチスドイツになぞらえる。「決して降伏しない」米議会で演説