10月は「食品ロス削減月間」。
2020年度の日本の食品ロス量は522万トンで、推計を開始した2012年度以降で最少となった。しかし、それでも私たち国民は1人あたり毎日ご飯一膳分(約113グラム)の食品を捨てているという。
そんな中、東京・品川区にある青稜中学校の生徒たちが、これまで捨てられていた食材を活用したアップサイクル食品を披露した。
お披露目されたのは、「しいたけの軸ハンバーグ」「昆布の根元そうめん」「大根の葉蒸しパン」ーーの3つのメニュー。レシピの開発には企業やミシュラン・シェフも協力し、3つのメニューは今後Oisixなどで商品として販売されるという。
アップサイクルとは、これまで捨てられていたものを加工し、新たな価値を加えること。
青稜中学校では2020年から、企業からゲストを招き、ワークショップなどを通じてSDGsの実現について考える「SDGsゼミナール」を開講している。
2022年5月からは、食品のサブスクリプションサービスを提供する「オイシックス・ラ・大地」とミシュランシェフの長谷川在佑氏を特別講師として迎え、本来廃棄されてしまう食材からアップサイクル商品を開発する授業を半年間、5回に渡り行ってきた。
これまでの授業では、講師のレクチャーやフィードバックを受けながら、食材選びから商品のアイデア、商品名やパッケージまで、生徒たち自らこなしてきた。9月末に行われた文化祭ではブースを出店しテストマーケティングも実施した。
ゼミ最終日の当日には、完成した3つの商品を披露し、マーケティングプランについての発表もあった。
授業に参加してきた中学3年生の宮澤琉凪(みやざわ・るな)さんは、以前はフードロスを身近に感じることはなかったと言い、「アップサイクルという言葉も知りませんでした」と語った。
しかし最終日の授業では、多くの生徒から「これからは家でも食べ物を残さないようにしたい」という声が聞かれた。
また、同じく3年生の大島颯人(おおしま・はやと)さんは今回の商品販売について、「自分たちが一から考えた商品が販売されるなんて、嬉しいし、自慢したいです」と喜びを語った。
このSDGsプロジェクトは、「感度が高くいろんな視点から知恵をもらって問題を解決したい」とオイシックス・ラ・大地が中学校に企画を持ちかけたという。同社はこれまで既に、21品の自社オリジナルアップサイクル商品を販売している。
同社でグリーンプロジェクト所管を務める東海林園子さんは、当初開発は1商品だけの予定だったが、生徒たちのアイデアと熱量の多さを受け、最終的に3商品を完成し販売することになったと話す。
「商品や商品名においても、彼らのアイデアは私たち大人のものと全然違います。みんな意見をしっかり持って発言してくれて、とても刺激を受けました」と述べた。
同社は「食の社会課題をビジネスの手法で解決することで持続可能な社会の実現を目指す」とウェブサイトで述べており、2025年を目処に畑からサプライチェーンまでのフードロスゼロを、そして2026年3月末までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目標としている。
中学生が開発した商品は、以下の予定で販売される⬇︎
・10月6日からOisixにて
「地球もうれしいったけ豆腐ハンバーグ」「地球よろこーんぶそうめん」
・10月11日からChoosebase Shibuya
「地球よろこーんぶそうめん」
・11月17日からOisixにて
「大根の葉蒸しパン(仮名称)」
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中学生が開発した「アップサイクル」食品が発売 ミシュランシェフと企業も支援【10月は食品ロス削減月間】