田舎暮らしの本(宝島社)の2022年版「住みたい田舎ベストランキング」で、人口1万人未満のまちの子育て世代部門で全国1位になった島根県飯南町。
なぜ、そこまで人気なのでしょうか?
朝日放送テレビ(ABCテレビ)の平日夕方のニュース番組『news おかえり』が現地で取材。その動画が公式YouTubeチャンネルで公開されています。
鉄道もなければ、映画館もない。そして大型ショッピングセンターもない。
島根県の中南部に位置する飯南町。面積は大阪市とほぼ同じで、森林が町の9割を占めています。人口は約4700人(9月1日時点で4609人)の小さな町です。
それでも、人口の1割にあたる470人が、この10年間で移住したといいます。
この町のどこに子育て世代を引きつける魅力があるのでしょうか。
移住ポイント①町が運営する塾
驚いたことに、飯南町には学習支援館という町営の塾があります。
教員免許を持った専門スタッフが指導し、中学生は週3回、高校生は週5回利用できます。
受講料は無料。参考書などの教材費は、中学生が月1000円、高校生が月6000円です。
移住ポイント②新築セミオーダー住宅
子育て世代を対象に、壁や床などを自由に選べる新築住宅に住むことができます。
25年間、賃貸で住めば、土地と建物が自分のものになります。
気になる家賃は、4万円。
つまり、25年間計1200万円払えば、自分のものになります。
大阪から移住してきた中野良介さん、晴美さん夫婦も家族でセミオーダー住宅で生活しています。
移住ポイント③ビニールハウスを町が設置
会社員だった中野さんが移住後、始めた仕事はパプリカ栽培です。
就農した人のためにビニールハウスを町が設置してくれます。
中野さんの場合、設置費用の約3000万円は町が全て負担。中野さんは年100万円のリース料を支払います。
気になる売り上げは?
中野さんによると、昨年は700万円の売り上げがあったといいます。
移住ポイント④奥出雲和牛が市価の半値
島根県には「しまね和牛」というブランドがありますが、その中でもトップブランドの奥出雲和牛が市価の半値ほどで食べられます。
奥出雲和牛は年間の出荷数は200頭ほどで、希少価値が高いことで知られています。
どんな味がするのでしょうか?
「噛んだ瞬間の奥出雲和牛のうまみがドッカーンと広がって、びっくりしました」 (ABCテレビの島田大記者)
移住者が描く将来像とは
飯南町に移住して10年。これから先の生活について、中野さん夫婦に聞きました。
晴美さん「(子どもが)のびのびと育っているので、このまま真っ直ぐ育ってくれるとありがたいですね」
良介さん「パプリカの栽培をさらに軌道に乗せていきたい。パプリカの町、飯南町のお役立てになれたら」
飯南町には、夢だった仕事と子育てに充実した日々を暮らす移住者の姿がありました。
この記事は、ハフポスト日本版と朝日放送テレビ(ABCテレビ)の共同企画です。
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「家賃は4万円」「塾が無料」…って? 鉄道もない島根のとある町に、子育て世代が続々と移住していた